凡人の「才能」をみるみる開花させる4つの心得 「天才」と呼ばれる人はいったい何が違うのか
2、常識の外側から思考することを心がける
天才と話していると、なんだか会話がスムーズに進まないと感じる場面が時々ある。天才の考え方がわれわれ一般人と異なるからだ。
問題に取り組んでいるときの天才の集中力はすさまじく、他人をおいそれと寄せつけない。天才は基本的に、人とはまったく違う彼らだけのやり方で思考する。そんな天才を「チームの一員になれ」と説得するのは、自分より賢い人々を率いるときの最大の挑戦と言えるだろう。
多くの天才は、自分の専門以外にもいくつかの分野に通じている。天才の知性が及ぶ範囲はとても幅広く、彼らは専門でないことも深く理解して楽しめる。私の知る天才たちは、話題が突然飛ぶうえに、思わぬもの同士をつなげて語るので、話についていくのが大変だった。
対象にのめり込む
天才は持って生まれた好奇心の強さで対象にのめり込み、答えが明らかになるまで没入する。問題だらけの霧をかき分け、誰にも見えないものを見通す。すべてがぴったりはまっているのを好む。それから境界の外にはみ出し、ほかの分野の仕組みを理解しようとする。
そうやって思考を跳躍させるから難問を解決できるのだ。それは裏を返せば、意識に入ってくる魅力的なアイデアに気を取られやすいということでもある。
天才の多くは熱中できる趣味を持っており、仕事と同じくらい究めようとする。アインシュタインはモーツァルトの専門家で、複雑で精微に組み立てられたその音楽を愛していた。ナポレオンはチェスの愛好家だったし、キュリー夫人は自転車で遠出をしては研究中の課題についてあれこれ考えた。
世界の見方も、天才とわれわれ常人とでは異なる。非凡な知性を持つ人々が、超越的なひらめきでだれもが無理と思った問題を解決してしまうのは、彼らがわれわれより高い視座からものごとを捉えているからだ。
天才は常人に見えないものを見て、常人の仮説を疑う。新たなつながりを作り、言葉に新たな意味を加える。
天才は規範を破り、現状をかき乱す。天才といると多くの人が居心地の悪さを感じるのは、天才の社交性に難があるからだけでなく、彼らがこちらの視点や立ち位置を揺さぶるからだろう。
要するに天才は、世の中の「こうあるべき」をひっくり返すのだ。彼らは、普通の人が常識だと思っていることを打ち砕き、より真実に近いビジョンに置き換える。
天才は問題を解決できるまで、寝ても覚めてもそのことばかり考える。最高に集中しているときの天才は、問題という架空の国を探検しているような状態になる。それほど没頭していると、他人の視点に立って考えたり、世界を別の観点から見たりするのは難しい。コミュニケーションは共通の視点があって成立する。だから、天才と会話しているといらいらさせられるのだ。