英国風パブ「HUB」がアナログにこだわるわけ ビール1杯400円、あえて人の接客を重視する

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――パブ文化を日本人へ浸透させるのは難しいのではないでしょうか。

(日本人は)基本的には(昼に)飲まないのだが、平日休みのサービス業勤務の人もいる。そういう人たち昼からビールを飲む外国人の姿を見て、コーヒーからアルコールに変えることもある。

秋葉原の店でも、これまでソフトドリンクだった顧客がジントニックを飲んでいた。昼間は今まで、ランチ用メニューだけを置いていたが、アルコールメニューを置く場所を増やしている。

太田剛(おおた・つよし)/1961年生まれ。1983年、(旧)ハブ入社。1998年、(現)ハブ取締役営業部長などを経て、2009年から現職(撮影:梅谷秀司)

――2020年の東京五輪ではパブ文化のない国からも多くの人がやってきます。

東京五輪だからといって特別なことはしない。ただ、アジア圏の人に受け入れてもらうことを考えている。これまでは「訪日客=欧米系の方々」と捉えており、アジア人をターゲットにしていなかった。

英語だけの情報発信だったが、中国語などアジアの言葉が1つあるだけでハードルが下がる。(アジアの方にも)一度パブを体験してもらうことに挑戦してみたい。

全面禁煙で客数増に期待

――日本ウイスキーの人気などがありますが、外国人に対応した特別な施策はありますか。

せっかく日本に来たのだから、日本のウイスキーが飲みたいという方がいる。ロンドンのパブでは日本酒がすごい人気で、イギリスで日本酒を造る動きがあるところまで人気が高まっている。

(日本酒が)そこまで人気があるのであれば、ハブでも品ぞろえの一つとして用意してもよいのかなと。ラグビーの時は、いかにビールを切らさないかに集中していた。しかし、東京五輪では日本らしさを取り入れていくことも必要ではないか。

――イギリスのパブは2007年に全面禁煙となりました。日本のハブも2020年4月から全面禁煙になりますが、どんな影響があるのでしょうか。

(イギリスでは)お客さんが思い切り減った。その後、今では料理のない店がないほど、料理を提供するようになった。

日本でも一時的には喫煙者の来店回数が減るなど、禁煙の影響はあるだろう。だが、たばこの臭いや煙がいやで、分煙してほしいという声も結構あることを考えると、(客数増の)期待もできる。

たばこの煙を嫌で(我慢して)働いていた人たちもいて、いいスタッフも採用しやすくなるだろう。喫煙ブースを用意する予定で、今まで来たくても来れなかった非喫煙者にとっても、パブが楽しいということを訴求していきたい。

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