ローソン「元日休業」の舞台裏とオーナーの本音 客離れを心配、24時間365日営業は変わるか

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今回の実験では4つの休業パターンを設けた。店舗を休業するスタート時刻はいずれも22時ごろだが、開始日が大晦日と元日の2パターン。休業する時間も、半日休業と1日半休業の2パターンある。

現在MOとして都内で29店舗を運営する有安誠一氏は、参加オーナーの1人だ。有安氏は2004年からローソンのオーナーになり、今回は東京都千代田区の店舗を休業する。2019年12月31日22時に閉店し、2020年1月2日の朝10時に営業を再開する。

オフィス街にあるため、顧客のほとんどがビジネスパーソンだ。元日の売り上げは平日と比べて大幅に下がる。近隣の通り沿いに2店舗のローソンを開いており、休業してもそれらの店舗に顧客が流れると踏んだ。

商品発注は廃棄ロスが出ないように

休業にあたって必要になるのが、普段の24時間営業とは異なる店舗運営だ。特に難しいのが商品の発注。おにぎりや弁当、パスタなど、賞味期限が異なる商品を、品切れを防ぎつつ、かつ閉店時に廃棄ロスが多く出ないように発注する必要がある。

店頭ではあちこちに元日休業のポスターを設置し、顧客への周知を図っている(記者撮影)

24時間営業の場合は、販売中止時間まで商品を売り続けられるが、閉店する場合は閉店時間にある在庫の多くを廃棄しなければならない。

この千代田区の店舗では、12月31日の閉店前に来店した顧客が最低限満足できるよう品ぞろえに多少の余裕を持たせつつも、閉店までにできる限り商品を売り切って廃棄ロスを減らす考えだ。

有安氏が展開する29店舗のうち5店舗では入居ビルの都合上、時短営業を行っており、閉店に向けた発注のノウハウを持っている。ただ「初めて閉店する場合には要領がわからずたくさん廃棄が出るなど、まごつきは必ずある」と有安氏は話す。

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