冷凍タピオカを売る「業務スーパー」が今スゴい 株式市場で評価が急上昇、神戸物産の別な顔

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馳走菜は前期、7店純増の10店舗となった。

「客が1.4倍伸びた例もある。今期は、店舗が狭い都心の既存店舗にどう棚を設けるか、FCオーナーと相談しながら進めていく」(沼田社長)と、集客強化策として重視する。老朽化や契約満了を機に大きな物件へと移設する際、中食の陳列棚を新たに設けることも有効な手段とみる。「より小商圏への出店密度を高めることや収益構造を変える相乗効果」(同)に期待を寄せている。

メニューを絞って固定化するなど、少人数でも運営できる仕組みにした「馳走菜」(写真:神戸物産)

神戸物産は本社が兵庫県加古郡稲美町と神戸市の以西にあるため、業務スーパーの出店エリアが西日本に多く分布していると思いがちだ。だが2019年10月末時点で、関西直轄(大阪・京都・淡路島除く兵庫・奈良・和歌山・滋賀)の244店に対し、関東直轄(東京・千葉・神奈川・埼玉)は233店である。

時価総額は3年前の5倍、5000億円超に拡大

前期1年間で関西の純増4に対し、関東は純増16だったので、ほぼ拮抗した。東京都は76店で他府県よりも数が最も多い。しかも23区内は城東・城西の両エリアに多く全部で44店を数える。「都内出店の余地はある」と沼田社長は自信を見せる。

同社はこの3年間で時価総額が約5倍の5000億円超となるほど急拡大した。2019年末に発表した中期経営計画は、最終年度2022年10月期に売上高3467億円、営業利益230億円を数値目標として掲げている。出店の中期目標は900と控えめ。設備投資は「20工場の増設が主体となる」(沼田社長)という。

課題だった多角化事業も、「外食などある程度不採算店が一巡した」(沼田社長)としており、向こう3年間は攻め一色の展開となりそうだ。冷凍タピオカ、馳走菜と、神戸物産が業務スーパーで次々と繰り出す一手に、マーケットは熱い視線を向けている。

古庄 英一 東洋経済 記者

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ふるしょう えいいち / Eiichi Furusho

2000年以降、株式マーケット関連の雑誌編集に携わり、『会社四季報』の英語版『JAPAN COMPANY HANDBOOK』、『株式ウイークリー』の各編集長などを歴任。

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