「みんクレ」元社長が裁判でぶちまけた恨み節

証言台で金融庁や東京都の「政策ミス」を告発

2016年10月開催のイベントに登壇した「みんなのクレジット」元社長の白石伸生氏(2016年10月の報道発表資料より)

「私を信じて、日本のフィンテックを信じて投資していただいて、この結果を申し訳なく思う。一般の投資家に落ち度はない」

「潔く判決には従いたいが、私たちの子どもたちが投資家からの嫌がらせやストーカー行為を受けている。原告(投資家)だけでなく、私たちの被害を救う裁判にもしてもらいたい」

去る11月6日、東京地方裁判所の626号法廷。紺色のスーツに身を包み、被告として証言台に立った「みんなのクレジット」(みんクレ)元社長の白石伸生氏は、居並ぶ裁判官たちにそう訴えていた。家族の被害に話が及ぶと涙混じりの声に変わった。

詳細は後述するが、みんクレは投資家の資金を大きく毀損させた。その後、経営トップであった白石氏が公の場に姿を見せることはなかっただけに、今回の証言は注目された。

集めた資金のほとんどはグループ会社へ

2015年に設立されたみんクレは、投資家から小口で資金を集め、それを借り手企業に融資するソーシャルレンディング事業を営んでいたが、2017年3月に関東財務局から1カ月の業務停止命令を受けた。さらに、虚偽の説明をもとに資金を集め、損失を被らせたとして、個人投資家22人から計1億円の損害賠償請求訴訟を起こされている。

みんクレは2016年4月からサービスを開始したが、当時のソーシャルレンディングの利回り(年率)が平均7~8%だったのに対し、同社は最大14.5%の利回りをうたい、合計で約45億円の資金を集めた。

資金を集める際、複数の企業に融資を行うかのように投資家に説明していたが、実際には、集めた資金のほとんどがみんクレの親会社である「ブルーウォールジャパン」(BWJ)やその関連会社に貸し付けられていた。貸し付け額は40億円にのぼるという。

次ページ投資家の出した30億円は結局戻らず
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • インフレが日本を救う
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
  • 若者のための経済学
トレンドライブラリーAD
人気の動画
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
ホンダ「インテグラ」復活が日本で話題になる訳
ホンダ「インテグラ」復活が日本で話題になる訳
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
空き家にさせない!<br>実家のしまい方

少子高齢化や核家族化、過疎化で今や7戸に1戸が空き家に。放置された実家はもはや相続したくない迷惑資産。売るか、貸すか、それとも活用するか。実家の片付けから空き家の再生まで幅広く取り上げ、対策例をご紹介します。

東洋経済education×ICT