「みんクレ」元社長が裁判でぶちまけた恨み節 証言台で金融庁や東京都の「政策ミス」を告発
「私を信じて、日本のフィンテックを信じて投資していただいて、この結果を申し訳なく思う。一般の投資家に落ち度はない」
「潔く判決には従いたいが、私たちの子どもたちが投資家からの嫌がらせやストーカー行為を受けている。原告(投資家)だけでなく、私たちの被害を救う裁判にもしてもらいたい」
去る11月6日、東京地方裁判所の626号法廷。紺色のスーツに身を包み、被告として証言台に立った「みんなのクレジット」(みんクレ)元社長の白石伸生氏は、居並ぶ裁判官たちにそう訴えていた。家族の被害に話が及ぶと涙混じりの声に変わった。
詳細は後述するが、みんクレは投資家の資金を大きく毀損させた。その後、経営トップであった白石氏が公の場に姿を見せることはなかっただけに、今回の証言は注目された。
集めた資金のほとんどはグループ会社へ
2015年に設立されたみんクレは、投資家から小口で資金を集め、それを借り手企業に融資するソーシャルレンディング事業を営んでいたが、2017年3月に関東財務局から1カ月の業務停止命令を受けた。さらに、虚偽の説明をもとに資金を集め、損失を被らせたとして、個人投資家22人から計1億円の損害賠償請求訴訟を起こされている。
みんクレは2016年4月からサービスを開始したが、当時のソーシャルレンディングの利回り(年率)が平均7~8%だったのに対し、同社は最大14.5%の利回りをうたい、合計で約45億円の資金を集めた。
資金を集める際、複数の企業に融資を行うかのように投資家に説明していたが、実際には、集めた資金のほとんどがみんクレの親会社である「ブルーウォールジャパン」(BWJ)やその関連会社に貸し付けられていた。貸し付け額は40億円にのぼるという。
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