「みんクレ」元社長が裁判でぶちまけた恨み節 証言台で金融庁や東京都の「政策ミス」を告発
なお、親会社のBWJは顔認証システムなどを導入した「AI(人工知能)住宅」の開発・分譲にみんクレから融資してもらった資金を充てていたとする。白石氏の証言によると、40件弱着工していた。
また、BWJは2017年秋にも株式上場する計画を持っており、上場によって80億~100億円の資金を調達できたと白石氏は述べた。そのうえで、「この住宅販売と上場で得られる資金があれば親会社の借り入れは返せた」と主張した。
金融庁の「政策ミス」も指摘してほしい
白石氏の主張の2点目は、複数の企業に融資を行う予定であるかのように、投資家向けのWebサイトに記載をしていたのは当局にも責任があるとした点だ。証言台で「金商法の透明性と貸金業法の匿名性のどっちを信じていいのか、監督官庁の指導が真逆だったので悩んだところがある。金融庁の政策ミスも指摘してほしい」と訴えた。
前述のように、ソーシャルレンディングは金商法と貸金業法の2つの規制を受ける。金商法の観点では投資家保護のために投資先(融資先)に関する情報の開示が求められる。これが白石氏のいった「金商法の透明性」だ。
だが、貸金業法の観点からは、2019年3月まで融資先が特定されるような情報の明示は控えられてきた。これは融資先を特定したうえで投資家がお金を出すと、その投資家が事実上の貸し手に近くなるため、投資家は貸金業登録が必要になりうるとの解釈があったからだ。貸金業法違反となることを確実に避けるため、ソーシャルレンディングで問題が多発するまでは、融資先を匿名とする運用が続いてきた。
みんクレの場合も、主な融資先である親会社のBWJは匿名で表記されていた。問題は投資家から資金を募るたびに、「関東から東海地区までファミリー物件の開発を手がけるハウスメーカー」「関東圏に展開する都内の投資会社」など、同一の会社であるのに6通りもの表記を使い分けていたことだ。
関連会社の表記も、同一会社なのに「事業者C」「事業者D」「事業者F」「事業者H」と、投資資金の募集の都度変わっていた。
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