「みんクレ」元社長が裁判でぶちまけた恨み節 証言台で金融庁や東京都の「政策ミス」を告発
白石氏の証言した指導は本当にあったのか。東洋経済が東京都貸金業対策課に尋ねたところ、「当時の担当者や記録にも当たったが『アルファベット表記を変えるように』という言葉で指示した事実は確認できなかった」と回答した。
尋問の場でうそを述べたり事実にないことを付け加えたりすると、10万円以下の過料を科されることもある。白石氏の証言には本来それだけの重みがあるはずだが、双方の言い分は食い違っている。
白石氏の「免罪符」になるのか
ただ、仮に都庁の指導があったとしても、それが白石氏の「免罪符」になるとも思えない。
原告である投資家の代理人を務める鈴木英司弁護士(東京フィールド法律事務所)は、「尋問で裁判官も指摘していたが、貸金業法上、匿名にしなければいけないという話と異なるアルファベット表記をすることは別の話。『分散投資をしている』と原告(投資家)に誤解させてもかまわないということにはならない」と指摘する。
あるソーシャルレンディング大手の幹部も、「自分たちがそのような指導を仮に受けたとしたら、投資家を誤解させないためにアルファベットの表記をやめるなど別のやり方を取っただろう」と話す。
はたして裁判所はどのような判決を下すのか。ソーシャルレンディングで生じた損失をめぐる訴訟は、みんクレに続く形で起こされている。最大手のmaneoマーケットなど一連の訴訟にも影響すると思われるだけに、2020年春と目される、みんクレ訴訟の判決から目が離せない。
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