木村拓哉に圧倒的魅力を感じてしまう理由5選 賛否両論にさらされ試行錯誤しながらも着実だ
いつだって木村拓哉は日本人のど真ん中を射抜く役を期待され、毎回見事に応えてきた。その結果、『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』(2013年)ではアンドロイド役までやった。テクノロジーの発達によって人間と機械がより密に共存していく未来予想も描きつつ、その一方で、『PRICELESS』から7年経過した今、日本がいよいよ不景気になっていく現実をふまえた底から這い上がる一発逆転のドリームも託される木村拓哉。『グランメゾン東京』でも、フレンチのいったんその地位から堕ちた二つ星シェフが誇り高く返り咲いていく役だ。
自分の良さも捨てず的確に遂行
常に「今」を演じる木村拓哉。移り変わってゆく人間の欲望の具現化たる多彩なドラマの多彩な職業を、スター木村拓哉の印象を残しつつ演じ分けてゆくことにはなかなか高度な技術が要るはず。ここから木村拓哉に学びたいことは、与えられた仕事のニーズを的確に読み取りミッションを成功させること。ただし、自分の良さも決して捨てない。それが大事。
テレビの視聴率が全体的に下がっているなかで、木村拓哉のドラマはぎりぎり保っている。やるからには、結果を出さなくてはいけない。とりわけプロジェクトが大きくなればなるほどひとりでは難しい。協力者が必要だ。木村拓哉のドラマは『グランメゾン東京』しかり、徹底してレベルの高いものを求めて、スタッフが動いている。この不景気に、パリロケを行い、一流フレンチレストランに協力を得て、毎回、美味しそうな食べものを出す。共演者は、鈴木京香、沢村一樹、及川光博ら主役クラス。ライバル店のシェフは尾上菊之助。歌舞伎界の名門に生まれ、これからの歌舞伎を牽引する人物で、さきごろは『風の谷のナウシカ』を歌舞伎化するという偉業に挑んだばかり。 そんな彼らが確実にドラマを引き締める。木村拓哉のドラマに参加すると、誰もが自然と己のベストを超えるほどの力を発揮する。見ていてそんな印象がある。
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