木村拓哉に圧倒的魅力を感じてしまう理由5選

賛否両論にさらされ試行錯誤しながらも着実だ

“『ロングバケーション』(1996)でピアニスト、『ラブジェネレーション』(97)で広告代理店の社員、『HERO』(2001)で敏腕検事、『空から降る一億の星』(02、明石家さんまとのW主演)でコック見習い、『プライド』(04)でアイスホッケーのスター選手、『エンジン』(05)でレーシングドライバー、『CHANGE』(08)で内閣総理大臣、『月の恋人〜Moon Lovers〜』(10)でインテリアメーカーの社長と、96年からずっと錚々たる職業ばかり。『空から降る一億の星』だけは、コックの見習いという若干下っ端の役どころではありますが、料理人の卵と思えば悪くはありません。月9以外のドラマでも美容師、パイロット、元ホストの脳学者、大財閥の専務、南極越冬隊副隊長と、実にかっこいい経歴を歩んで来ているのです。
男子のあこがれの職業を、ドラマで総なめしてきたかのような木村拓哉が、2012年晩秋、ついに無職(の役)。この11月でとうとう40歳となり、もう夢の職業シリーズは卒業、地に足をつけた生活者の役を、ということでしょうか。いや、この不況下、まさにスターは時代を映す鏡と言えましょう。どちらにしても、感慨深いです。“(cakes 木村拓哉が歩み出した次のかっこ良さ——『PRICELESS 〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜』論)”

いつだって木村拓哉は日本人のど真ん中を射抜く役を期待され、毎回見事に応えてきた。その結果、『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』(2013年)ではアンドロイド役までやった。テクノロジーの発達によって人間と機械がより密に共存していく未来予想も描きつつ、その一方で、『PRICELESS』から7年経過した今、日本がいよいよ不景気になっていく現実をふまえた底から這い上がる一発逆転のドリームも託される木村拓哉。『グランメゾン東京』でも、フレンチのいったんその地位から堕ちた二つ星シェフが誇り高く返り咲いていく役だ。

自分の良さも捨てず的確に遂行

常に「今」を演じる木村拓哉。移り変わってゆく人間の欲望の具現化たる多彩なドラマの多彩な職業を、スター木村拓哉の印象を残しつつ演じ分けてゆくことにはなかなか高度な技術が要るはず。ここから木村拓哉に学びたいことは、与えられた仕事のニーズを的確に読み取りミッションを成功させること。ただし、自分の良さも決して捨てない。それが大事。

その2.パートナーたちにも損をさせない

テレビの視聴率が全体的に下がっているなかで、木村拓哉のドラマはぎりぎり保っている。やるからには、結果を出さなくてはいけない。とりわけプロジェクトが大きくなればなるほどひとりでは難しい。協力者が必要だ。木村拓哉のドラマは『グランメゾン東京』しかり、徹底してレベルの高いものを求めて、スタッフが動いている。この不景気に、パリロケを行い、一流フレンチレストランに協力を得て、毎回、美味しそうな食べものを出す。共演者は、鈴木京香、沢村一樹、及川光博ら主役クラス。ライバル店のシェフは尾上菊之助。歌舞伎界の名門に生まれ、これからの歌舞伎を牽引する人物で、さきごろは『風の谷のナウシカ』を歌舞伎化するという偉業に挑んだばかり。 そんな彼らが確実にドラマを引き締める。木村拓哉のドラマに参加すると、誰もが自然と己のベストを超えるほどの力を発揮する。見ていてそんな印象がある。

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