トランプが弾劾裁判で「有罪」招きかねない要素 共和党が過半数握る上院は安泰のはずだが
トランプ弾劾訴追――。ニューヨーク・タイムス1面のトップで人目を引いたこの大見出しは、アメリカ中の新聞で繰り返し掲載され、18日にアメリカ議会下院で下された決議の歴史的意味合いを伝えていた。今回を含め、アメリカでは過去に3回しかこの決議はされていない。これにより現職大統領が重罪と微罪を犯したかどで告訴され、自ら罷免されるおそれのある上院での弾劾裁判に直面することになる。
「弾劾されているという気がしない」
この決議が首都ワシントンで行われていたとき、トランプ大統領はまた別の大集会を自ら開いており、しかもその会場を激戦州の中心となるミシガンにしたのは意図的だった。長ったらしくまとまりがなく、支離滅裂な2時間の演説の中で、トランプ大統領はこの弾劾訴追の合法性を挑戦的に非難し、共和党全体に忠誠を誓わせる能力を自画自賛した。
「ちなみに、弾劾されるという気がしない」と、トランプ大統領は聴衆に語った。「アメリカは、かつてないほど繁栄しているし、われわれは何も間違ったことはしていない。さらに共和党は、かつてないほどの絶大な支持を得ている」。
政治的に見ると、トランプ大統領への信頼は正当化されているのかもしれないが、そう判断するのはまだ早い。歴史的にみると、そしてトランプ大統領自身の精神状態への影響を考慮すると、弾劾の影響が消えたと考えるのは間違いなく時期尚早だ。
政治的には、弾劾プロセスによって主にアメリカの有権者の間で根深い分裂が決定的となった。民主党の弾劾審議が9月に開始されて以来、有権者の考え方はほとんど変わらない。全投票の平均を見ると、約48%が弾劾・罷免に賛成、46%が反対という結果になっている。
トランプ大統領がウクライナに圧力をかけ、主な民主党の政敵に関するスキャンダルを捏造しようとした件に関して何週間にもわたり決定的な証言が行われた後でも、ジョー・バイデン前副大統領の意見は事実にではなく党派心に基づいている。
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