トランプが弾劾裁判で「有罪」招きかねない要素 共和党が過半数握る上院は安泰のはずだが

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

過去、弾劾投票の直前に辞任したリチャード・ニクソン大統領や、上院で無罪となったビル・クリントン大統領は国中の注目を浴びた。しかしトランプ大統領の事件は、アメリカの有権者の注目を集めることはほとんどなかった。これは有権者の大部分がすでにトランプ大統領を有罪と考えるか、または無罪と考えるかを決めているからだ。

政治的な理由から、ナンシー・ペロシ下院議長を始めとする民主党リーダーたちは、民主党議員からのトランプ大統領弾劾を求める圧力を鎮めようとしてきた。だが、アメリカ中央情報局(CIA)に勤めた経験のある内部告発者が、8月にトランプ大統領とウクライナ大統領の電話会談に関する証拠文書を送ってきたことで潮目が変わった。

上院は「ホワイトハウスの弁護団と連携する」

とはいえ、共和党が過半数を握る上院における弾劾裁判において、トランプ大統領が罷免されると考えている人はそう多くない。共和党のミッチ・マコーネル上院議員は、フォックスニュースに対して、上院はホワイトハウスの弁護団と連携すると宣言。トランプ大統領から指示を受けているマコーネル上院議員は、裁判を1月にも開き、その際には証人喚問を呼ぶことも、新たな証拠を提出することもなく、長くても数週間で終わらせる考えを示している。

トランプ大統領を罷免するには、上院の3分の2以上がこれに賛成しなければならない。このためには、共和党議員の20人が民主党側につかなければならず、極めて非現実的と考えていいだろう。上院でトランプ大統領が無罪になれば、同氏はこれを大きく喧伝することが予想されるが、来年の大統領選挙にはほぼ影響を及ぼさないという見方が大勢だ。

「この話が説得力を持つのは、トランプ支持者に対してだけだ」と、ベテラン政治ジャーナリストのフィル・トラウンスタイン氏は話す。「これが、次の選挙で重要な州となるウィスコンシンやミシガン、ペンシルベニア州などの状況を変えるとは思わない」。

今回、下院はほぼ統一された党路線に沿って2通の弾劾告発書を提出した。1通はトランプ大統領が権力濫用により、連邦政府の権力と税金を行使して自らの私的および政治目的のために議会が承認したウクライナへの軍事援助を妨げたことを告発するものだ。もう1通は、トランプ大統領が議会質問を妨げ、文書提出を拒否し、主要な側近が諮問委員会の前に証言するのを阻止したことを告発するものだ。

弾劾によって大統領が罷免されたり、何らかの形で職務履行を妨げられることはない。上院はアメリカ憲法により、大統領の罷免を決定するための裁判を開く権利を与えられている。下院によって弾劾された大統領は過去に2人いる。クリントンとアンドリュー・ジョンソン(1868年)だ。彼らはどちらも上院によって、ジョンソンの場合はわずか1票差で、無罪となっている。

次ページ折り合わない民主党と共和党
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事