無名でもテレビ取材される人には"コツ"がある 誰に向けて情報発信しようとしていますか?
このようにニュースをはじめとする時代の空気に絡められれば、普段は採用されにくいネタも採用されやすくなります。テレビマンは、よく「お、タイムリーなネタだね」と言います。「なぜ今か」が明確なネタは、まさに野球で得点が入るタイムリーヒットのようなもの。テレビ番組においても得点=視聴率を上げやすいネタとなります。だから伝えたくなるのです。
気をつけていただきたいのは、タイムリー性が自社の都合に終わらないことです。「弊社が創業10周年だから」とか「今度、新しい商品を発売するから」「○月○日をもって××社と業務提携することになったから」といった、あなたにとっての「今」は、あくまで自社都合であって、視聴者にはまったく関係ありません。
視聴者が「なぜ今、これを放送しているのだろうか」と納得できることが大切なのです。
情報提供の際に気をつけたいポイント
それでは、情報提供するにあたって「公共性を絡ませる」には具体的にどうしたらよいでしょうか。実際にプレスリリースを作る例から考えてみましょう。
先日、とある情報番組で「とろみボタンがついた世界で初めての自動販売機」をかなり長い尺で紹介していました。紙コップに飲料を注ぐタイプの自販機なのですが、ボタンを押すと、とろみのついた飲料が出てくるのです。
なぜ、とろみをつけるかといえば、高齢者の誤嚥(ごえん)性肺炎を防止するためです。こうした自販機は世界で初めてだそうです。このように「公共性」と「斬新性」を絡めたネタはかなり高い確率で採用されます。例えば、こんなタイトルのプレスリリースだと、どうでしょうか。
・世界初! 高齢者を守る「とろみボタン付き自販機」が大好評
まず、このタイトルを目にしたテレビマンは、「高齢者を守る」ってどういうことなのだろう」と頭の中に「?」を浮かべるはず。そこで本文で最初に「今、誤嚥性肺炎で命を落とす高齢者が増えている」といった事実を述べます。
勘のいい人なら、それで「なるほど、それでとろみか」と気づくでしょうが、中には「それでなぜ、とろみなのだ?」と思う人もいます。そこで、その疑問に答えて「とろみ付きの飲料なら誤嚥を防げる」と高齢者を守る「公共性」があることを本文で説明してあげるのです。
このように、プレスリリースのタイトルや本文をつくるコツは、いったん読んでいる人の頭の中に「ハテナ?」を浮かべさせて、すかさず「種明かし」をするのがコツです。
ただし、「ハテナ?」が長く続くと、「なんだかわからない」と読むのをやめてしまうので、興味深い「?」を相手の頭の中に浮かべ、すかさず「種明かし」するのがポイントです。
読み手の頭に「?」を浮かべては、それに答える。あたかも質疑応答をしているように「?→!」を繰り返しながら本文をつくっていくことが、最後までプレスリリースを読ませるコツです。さらに種明かしをすれば、実はテレビ番組の構成も、頭の中で視聴者と対話しながら「?→!」を繰り返しながら最後まで興味深く見てもらえるようにしているのです。
実際のところ、テレビの情報・報道番組は慢性的なネタ不足に悩まされています。「これは、みんなのためになる」。そうした思いを前面に打ち出したタイトルのプレスリリースを作って、ぜひ送ってみてください。
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