岡田圭右「スベリ芸」で売れた異色の芸能人生 2代目M-1チャンピオンの実力は伊達じゃない

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解答者は脳トレ系のクイズに挑戦するのだが、クイズ番組やバラエティー番組への出演経験が少ない人が多く、ほかの番組ではありえないような奇妙なトラブルが頻発する。

解けない問題に対して白紙で答えたり、「わかりません」と書いたりするのは日常茶飯事。全員が答えを真剣に考えてしまって現場が静まり返ることもあれば、早押しボタンを間違って押してしまう人もいる。

年配のタレントの中には話が長い人も多く、雑談で延々と収録時間が長引いてしまうこともある。さらに、プロレスラーの藤原喜明が収録中に酒を飲んで酔っ払い、隣にいる安達有里(安達祐実の母)にキスをしてしまったこともあった。

番組の進行役を鮮やかにこなす岡田

岡田は、そんな猛者たちを相手に一歩も引かない見事な立ち回りを見せている。バラエティー慣れしていない解答者たちの自由奔放な言動に力強くリアクションを取って場を盛り上げ、なかなか答えが出ないときには少しずつヒントを出していく。番組の進行役として難しい仕事を鮮やかにこなしている。

なかなか言うことを聞かない解答者たちをまとめるのは、ただでさえ骨が折れる仕事だ。それなのに、この番組は毎回5本撮り、7時間半以上ぶっ通しで収録が行われている。それでも、岡田のテンションは最後まで落ちない。体力的にも相当タフでないとこの番組のMCは務まらない。

11月16日には「BSフジ11時間テレビ2019 全国対抗!脳トレ生合戦!!」(BSフジ)という11時間生特番も行われた。この番組では、大木凡人、氏神一番、林家ペー・パー子など、個性の強い昭和のスターたちが集結。番組広告の「若者よ。これが昭和だ。」というキャッチコピーも話題になった。

「BSフジ11時間テレビ2019 全国対抗!脳トレ生合戦!!」の出演者たち(写真:BSフジ http://www.bsfuji.tv/11tv/pub/index.html より)

11時間生放送の番組のMCというのは、相当大変な仕事のはずだが、普段から7時間半の収録を経験している岡田にとっては、それほど大したことではないという。この番組を仕切れる岡田はMCとして間違いなく有能だ。岡田にとってMC業と「スベリ芸」はどのような関係にあるのだろうか。

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