岡田圭右「スベリ芸」で売れた異色の芸能人生 2代目M-1チャンピオンの実力は伊達じゃない
お笑い界には「スベリ芸」という不思議な言葉がある。芸人は人を笑わせることを職務としているはずなのに、笑わせるのに失敗してしまうこと、すなわち「スベること」を芸と呼ぶのはいかにも不自然な感じがする。
だが、スベリ芸を売りにしている芸人は存在する。実際には、スベること自体が面白がられているというよりも、その後の本人のリアクションや、共演する芸人の手厚いフォローなどによって、結果的に笑いが起きていることが多い。掟破りの「スベリ芸」がかろうじて成立しているのはそのためだ。
ただ、言うまでもないが、本来なら芸人はスベらないほうがいい。たびたびスベってしまう芸人はどうしても世間からはなめられやすいし、テレビの中でも低い地位にとどまりがちだ。
「スベリ芸」で出世した例外的存在
しかし、お笑い界にたった1人だけ例外がいる。「パァ、出た!」「閉店ガラガラ」などのギャグを持ち、スベリ芸を売りにしながらも順調に出世を続け、今ではちゃっかり番組を仕切るMCの座に収まっている芸人が存在するのだ。隙だらけのように見えて本心が読めない、つかみどころのない不思議な男。それがますだおかだの岡田圭右である。
岡田がMCを務めている「クイズ!脳ベルSHOW」(BSフジ)は、業界内視聴率が高い番組としてひそかに話題になっている。月曜から金曜まで放送されている帯番組であるうえ、BSフジとフジテレビ(関東地区)では過去回の放送もある。週に15回放送されているので、偶然見てしまう可能性も高い。松本人志や伊集院光など芸能人の多くがこの番組のファンを公言している。
番組の最大の特徴は、ほかでは見られない解答者の顔ぶれだ。解答者として出てくるのは、ほぼ40代以上の中高年の芸能人ばかり。その多くは主に昭和のテレビで活躍していた往年の人気タレントで、ほかのバラエティー番組ではまず見かけないような人が顔を出すことも多い。
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