ベンツ「4代目Aクラス」発売1年後の通信簿 デジタル世代のベンツは受け入れられたのか
メルセデス・ベンツ「Aクラス」の新型モデルが日本市場で発売されたのは、2018年10月18日のこと。
同日より受注を開始し、デリバリーは12月ごろから開始された。新型Aクラス導入から1年の販売動向や顧客層の変化などをレポートしたい。
「話題づくし」だった初代
1880年代に現代の自動車の祖である「ベンツ・パテントモーターカー」を発明したルーツを持つメルセデス・ベンツ。その長い歴史を鑑みれば、Aクラスは比較的、新しいモデルだ。
初代Aクラスの登場は1997年(本国発表、以下同じ)。このクルマは、世界中から大きな注目を浴びた。高級車ブランドとして中~大型車ばかりであったメルセデス・ベンツの中で、いわゆるBセグメントのAクラスは飛びぬけて小さく、しかもブランド初のFF(フロント・エンジンの前輪駆動)車であったからだ。
さらにAクラスは、もともとプラットフォームと車室内の間に燃料電池や二次電池などを搭載する電動車として開発されていたため、フロアが二重になっており、その結果、全高の高い奇妙なスタイルのクルマとなっていた。メルセデス・ベンツとして“初めてづくし”の話題のクルマであったのだ。
しかもAクラスは、価格の手頃さもあったため、販売は好調に推移する。このAクラスで、初めてメルセデス・ベンツのオーナーになったというユーザーが、世界のあちこちで生まれた。メルセデス・ベンツはAクラスによって、FFコンパクトカーというジャンルへの参入を成功させ、これまでにない新しいユーザー層の獲得につなげたのだ。
それらの新しいユーザー層は、「Cクラス」など、より上位のメルセデス・ベンツを購入する未来のユーザー予備軍にもなった。
そして、2004年にはキープコンセプトの第2世代が登場。さらに2005年には、同じプラットフォームを使った兄弟モデルの「Bクラス」も発売された。AクラスとBクラスという2台のFFモデルで、メルセデス・ベンツはブランドの入口の間口を、より大きなものとした。
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