ベンツ「4代目Aクラス」発売1年後の通信簿 デジタル世代のベンツは受け入れられたのか
ブランドの入口という役割はそのまま、さらに狙いを若年層にまで拡大したのが2012年に発表された第3代目のAクラスだ。フロアの二重構造を廃し、一般的なハッチバックとして、Cセグメントにサイズアップ。ルックスはスポーティーなものとして、若年層に強烈にアピールする存在となった。
そして2018年に登場し、同年10月に国内発売されたのが、第4世代の新型Aクラスだ。先代のコンセプトを継承し、アグレッシブで若々しいイメージと、先進技術を満載したスポーツコンパクトモデルとして登場した。2019年3月にはクリーン・ディーゼル・エンジンを搭載する「A200d」を追加。7月には「Aクラスセダン」も発売し、ラインナップを強化している。
ちなみに現在のAクラスは、コンパクトクラスを受け持つ1モデルというだけではなく、同じFFプラットフォームを採用するAクラス・セダン、Bクラス、「CLA」「CLAシューティングブレーク」「GLA」といったFFラインナップの代表モデルという重責を担うことにもなっている。
新時代のHMI「MBUX」を搭載
先代モデルのコンセプトを踏襲し、スポーティーなルックスを持つCセグメントのハッチバックとなったAクラスだが、その最大の特徴は新世代HMI(ヒューマンマシンインターフェース)である「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」を採用したことだ。
MBUXは、「ハイ! メルセデス」をキートリガーとする対話式でのボイスコントロールが話題となったが、その実はクルマの操作全体となるHMIをまったく新しくするものであった。
ドライバーの前のメーターを大きな液晶モニターに一新し、ステアリングとセンターコンソールに操作スイッチを集中させる。一般的にセンターコンソールの一番使いやすい場所はシフトノブが占領しているものだが、メルセデス・ベンツは以前よりシフトレバーをステアリングコラムへ移動させている。センターコンソールの一等地には、すでにモニター操作用のスイッチが設置されていた。
そうしたHMIの挑戦の先にあるものがMBUXなのだ。Aクラスで採用が開始されたMBUXは、その後、他モデルにも波及。今ではほとんどのモデルの操作系が、MBUXに変更されている。
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