東洋経済オンラインは上場企業3234社を対象に各社の30歳社員の年収を推計。「全国トップ500社」・「全国ワースト500社」・「東京都トップ500社」の30歳年収ランキングに続き、第4弾として東京都ワースト500社のランキングを公開する。
企業や読者の一部から「トップ500でランキングをすると、まるで500位が低いように見える」「給料の高い会社ばかりではなく、高くない会社の情報も知りたい」という指摘があり、それに応える狙いもある。
日本国内の上場企業の約半数が東京都に本社を置いており、そのうち1635社が今回のランキングの対象だ。『会社四季報』の本社欄に掲載した本社所在地が東京都の会社のうち単体従業員数が20人に満たない場合や平均賃金の発表がない企業や一部業種は除いて集計した。
各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成30年賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。本社の中枢機能を担う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いている。
300万円未満の上場企業は21社
東京に本社を置く今回の対象企業で、30歳推計年収が300万円未満の上場企業は21社(東京含む全国合計63社)、400万円未満で見ると260社(同676社)だ。「東京都トップ500社」で紹介したような高給企業と比べると、利益率の高くない事業を手がけていたり、業績が苦しかったりと給料の高くない事情はそれぞれだ。
ただ、会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、いわゆる正社員の平均的な実態と乖離がある場合もありうる点には注意いただきたい。
東京都の集計対象企業(1635社)を単純平均すると30歳推計年収は508万円(全国平均は377万円)、平均年収は632万円(同465万円)、平均年齢は39.7歳(同40.0歳)だった。