新幹線や駅のテロ対策、「探知犬」は役に立つ?

優れた嗅覚で危険物を特定、運用には難しさ

東京駅で行われた危険物探知犬の実証実験(撮影:尾形文繁)

国土交通省鉄道局が打ち出す鉄道テロ対策。12月4日、東京駅で爆発物などを嗅ぎ分けられる「危険物探知犬」の実証実験が行われた。同駅の赤レンガ駅舎前で報道陣の取材に応じた国交省鉄道局の野本英伸危機管理室長は「東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、今までなかったボディスキャナーや探知犬の導入を検討。結果を分析して対策を考える」と、胸を張った。

しかし、テロはずっと昔からあった。探知犬による危険物発見の実証実験場所となった新幹線北乗換口は、テロとの因縁深き場所だ。令和のテロ対策を静かに見つめるのは、88年前に当時の浜口雄幸首相が、右翼団体構成員のピストル狙撃に倒れた場所を示す記念碑だった。

駅でのテロ対策の難しさ

鉄道のテロ対策は、関係者の話を聞けば聞くほど難しい、という印象を受ける。

理想的なテロ対策のためには空港の保安検査のような駅構内の検査が必要になるが、東海道新幹線だけを例にとっても1時間に10本前後、1本16両編成で約1300人という大量の利用者を相手にすることになる。在来線や地下鉄では、通勤通学で1分を急ぐ利用者の協力も得なければならない。

国交省鉄道局は、2018年6月に起きた東海道新幹線「のぞみ」車内での殺傷事件後もしばらくは「駅構内では乗降客の流れを妨げない検査はできない」との見解を示し、まずは鉄道事業者による警備員巡回や警察官の同乗による列車内の警戒強化を優先した。

2019年に行った2種類のテロ対策実証実験は、積み残した駅構内の対策という難題への答えだ。

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