米中合意が来年にずれたら株価はどうなるのか

対中追加関税発動の15日を前に神経質な展開

そうした空気のなか、ISM製造業指数も11月は49.2に上昇するとのエコノミスト予想の平均値だった。そうした勝手な期待が勝手に裏切られたため、同指数を受けて株価が反落したと考えられる。

逆に週末金曜日の6日に発表された11月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比で26.6万人もの増加をみせ、その日のアメリカの株価を大いに押し上げた。この増加の背景には、GMでストライキを行なっていた労働者が、職場に復帰したとの一時的要因はあるが、その影響は4万人強だと推察されており、それを除いても22万人を超える前月比での雇用増だ。素直に足元の雇用情勢はまだ強い、と解釈すべきなのだろう。

このように、先週はドタバタとした市場展開となったが、結局週を通じてみれば、高値圏ながら日米等の株価は横ばい圏内だったと言える。また外貨相場は、むしろ外貨安・円高気味の推移で、前述の雇用統計を受けた米ドルの上昇も一時的に終わった。

気がかりな日本国内の消費動向

一方、目を日本の経済情勢に転じると、消費増税の影響については、楽観・悲観双方の見解があったものの、「消費増税前の駆け込みがあまり大きくなかったので、その反動も小さいものになるはずだ」、との見方が広まっていたように思う。

だが6日(金)に公表された10月の家計調査によれば、同月の世帯の消費支出(単身者世帯を除く)は、前年比で5.1%も減少した。これは、前回5%の消費税を8%に引き上げた2014年4月(同4.6%減)よりも減少率が高いという結果となっている。

10月の消費動向については、大型台風の影響もあったと推察され、すべてが消費増税の影響とも言い難い。しかし、このところ企業が発表している、小売りなどの11月既存店売上高の前年比をみると、たとえばファーストリテイリング(国内ユニクロ分)が5.5%減、アークランドサービス(かつや分)が3.2%減、ジーンズメイトが5.4%減、幸楽苑ホールディングスが11.8%減となっている(台風による工場操業停止などの特殊要因もある)。しかもこれら各社は、3カ月連続の前年比マイナスだ。つまり、すでに消費増税前の9月から10月、11月と不振を示している。

もちろん、他に売り上げを伸ばしている消費関連企業も多いため、安易に結論を求めるべきではない(まだもう少し売り上げ動向などの様子を見た方がよい)のだろうが、消費増税のいかんにかかわらず「日本の消費の勢いが弱くなり続けているのではないか」、という懸念はぬぐえない。
日本を含め、製造業の業況にはまだ逆風が吹いている。それに加えて日本国内の消費も厳しさを増すとなれば、日本の国内株価は経済・業績面からのサポートを失っていくだろう。

次ページ今週は材料が多いなか、波乱となる恐れも?
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 自分史上最高のカラダに!本気の肉体改造メソッド
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 晩婚さんいらっしゃい!
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「ニッポン半導体」敗北の真相
「ニッポン半導体」敗北の真相
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
勝ち組シニアと負け組シニア<br>定年格差

「45歳定年」発言に対し一部で猛反発。現実には法改正で70歳までの雇用確保が今春努力義務化されました。人生100年時代といわれる今、従来の定年はもはやなくなりつつあります。老後も働くシニアが第二の人生を勝ち抜くためにすべきことは何でしょうか。

東洋経済education×ICT