母になっても恋愛する「40代女性たち」の心情 『恋する母たち』の作者、柴門ふみ氏に聞く
「恋愛の神様」と言われ、1980年代後半から1990年代に一世を風靡したマンガ家の柴門ふみ氏。そんな柴門氏の最新作『恋する母たち』が今、電子書籍を含めた単行本5巻分の累計発行部数16万部に上るヒットを記録し話題になっている。
2017年1月から『女性セブン』で連載されている同作は、ブランド私立男子高校で落ちこぼれの息子を持つ、3人の40代女性が出会ったところから始まる。
石渡杏は10年前、会社の金を使い込んだ夫に駆け落ちされた。彼の実家から援助を受けつつパートで働き、1人息子を育てる。蒲原まりは、年収3500万円の弁護士の繁樹を夫に持つ専業主婦で、3人の子どもの母。そして、林優子はビール会社の宣伝部で働くキャリアウーマンで、主夫のシゲオに支えられており、1人息子は引きこもりだ。
男性にちょっと口説かれて少女のように
その3人がそれぞれ、新しい男性に出会って恋をする。杏は、慎吾が駆け落ちしたことを相手の女性の夫、斉木巧と。夫に浮気され、子育てで忙しいまりは、久しぶりに外出した先で人気落語家に出会ってくどかれ、ひかれていく。優子は職場の部下、12歳年下の部下に迫られ……。
置かれた状況も性格もまったく違う3人は、それぞれ新しい恋に純粋に喜びつつも、母親である自分が恋をすることに思い悩む。その描写はとてもリアルだ。そもそも、柴門氏はなぜ40代女性の恋愛をテーマにしようと考えたのだろうか。
「私が40代の頃、若い頃は恋愛経験が豊富だったけれど、結婚していいお母さんになっていた知り合いの女性がいたんですね。その彼女が、男性にちょっと口説かれただけで、初恋に出会った少女のように舞い上がったんです。いつかマンガにしたいな、と思いました」と柴門氏。落語家の丸太郎に口説かれ、動揺するまりを彷彿とさせるエピソードだ。
「何年かして、クールで仕事ができるキャリアウーマンの女性から、離婚の相談を受けている間に、彼女が恋をしたんです。夫は出たり入ったりしていて、家庭はぐちゃぐちゃなのに、肉食的な恋をするんだと思いました」と柴門氏が語る女性は、優子と似ている。
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