「大人のいじめ」で会社を辞めた30代女性の告白 「苦しんでいる人」は今すぐ逃げたほうがいい

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私も約20年前、会社員時代にいじめに近い被害を経験したことがある。同僚からいきなり「オレ、お前のこと嫌いなんだよ」と言われたり、上司との食事中、後から合流しにきた同僚から「なんで中川と一緒だって言ってくれないんですか! オレ、こんなヤツとメシ食いたくないですよ」と言われたことがある。

こうまで言われたため、私も公然とこの2人のことは嫌いだと別の同僚に明言していた。場合によってはこの2人が結託し、私を貶めようとしていた可能性があったのだが、その芽を事前に摘んでおいたわけである。

ところが、だ。この2人とは、会社を辞めた後は普通に付き合っている。もちろん一緒に食事をするなどはないものの、例えば元上司が定年退職をするために送別会が開催されるときに会ったら、「おぉ! 久しぶりだなぁ」と普通にあいさつを交わせるぐらいの関係には改善した。

いじめは「濃厚な人間関係」が生む

大人にしろ、子どもにしろ、いじめというものはある程度、人間関係が濃厚というか、同じ空間で長時間過ごすことで発生してしまうものだ。

それを回避するために、リモートワークが可能な会社に勤めたり、独立するのも1つの方法だろう。工場など労働集約的な職場では難しいかもしれないが、そうでない人は仕事選びの基準として、「希薄な人間関係が許される場所」を選ぶという考えがあってもいいと思う。

会社員時代、私を「嫌いだ」と言い放った2人に対して、同じ職場にいたときは憎悪の気持ちを多少は持っていたし、いじめのエスカレートにもビクビクしていたが、いったん会社から離れてしまえば、そんなことで憂鬱になることはなくなった。

「いじめ」をする側は、都合の悪い事実を忘れるものだ。でも、被害者にとっては一生忘れないトラウマになる可能性が高い。「苦しみにとらわれるぐらいなら、さっさと逃げてしまえ」と、ここでは「逃げる」ことの重要性を強調したい。

中川 淳一郎 著述家、コメンテーター

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なかがわ じゅんいちろう / Junichiro Nakagawa

1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライターや『テレビブロス』編集者などを経て、出版社系ネットニュースサイトの先鞭となった『NEWSポストセブン』の立ち上げから編集者として関わり、並行してPRプランナーとしても活動。2020年8月31日に「セミリタイア」を宣言し、ネットニュース編集およびPRプランニングの第一線から退く。同年11月1日、佐賀県唐津市へ移住。ABEMAのニュースチャンネル『ABEMA Prime』にコメンテーターとして出演中。週刊新潮「この連載はミスリードです」他連載多数。

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