「大人のいじめ」で会社を辞めた30代女性の告白

「苦しんでいる人」は今すぐ逃げたほうがいい

16万円を自腹で支払ってスクールに入ったのですが、先生からはすぐに「なんであなたはこの講座に来ているの」と言われました。上司から命じられたからと答えたら、「全然あなたの仕事と関係ないでしょ? 目を覚まして!」と諭され、解約も認めてくれるし、仕事に役立つ別の講座を受けるよう勧めてくれました。本当に親切な先生でした。
あとでわかったことですが、簿記の講座は会社の補助制度を使うことで1万円で受けられたようです。上司はそのことを知っていたくせに、私には何も伝えてくれませんでした。
そうこうするうちに、ついには部署内で無視が始まりました。責任者である彼女が無視を始めると、ほかの部員も私を無視しなくてはいけないという同調圧力が生まれました。取引先からお菓子をいただいても、私だけはもらえません。
仕事をやめたくなかったので、できるだけ我慢しようと思いました。ですが、「存在無視」は思った以上にきつく、最後には職場で倒れてしまい、その会社を辞めることにしました。

第三者には理解しがたい「大人のいじめ」

彼女の話はおかしなことだらけだが、神戸の小学校における「いじめ」も、理不尽なことだらけだ。しかし、当事者たちはそれを不自然に思わない。

あくまでも推論だが、いじめている側は「愛のムチだった」「上司としての務めを果たしただけ。これがウチの会社の文化だ」と主張し、いじめられている側は「職場というのはこれが当たり前なんだと思っていた」「上司が言っているのだから間違いないと思っていた」と、つらい境遇や上下関係を理由に、視野狭窄に陥っているのではないか。

やがて、いじめの内容はエスカレートし、いじめられている側は心身のバランスを崩したとき、はじめて「自分はいじめの被害者だったんだ」と気づく。しかし、それではもう手遅れだ。

今年7月、私は「仕事が嫌な時『逃げていい人』『ダメな人』の境界」という原稿を書いた。ここでは、「逃げたいときは逃げてもいいんだよ」という論説を尊重しつつも、「もう少し踏みとどまったら、もっといい結果になったのでは」と述べた。だが、彼女については退社して正解だろう。

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