サムスン電子「無労組経営」についに終止符 組合員1万人が目標、会社側と正式交渉も

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ソウル市内にあるサムスンの本社(写真:picture alliance/アフロ)

韓国労働組合総連盟(韓国労総)傘下のサムスン電子労働組合が11月16日、正式に発足した。この50年間、労働組合なしの経営を行ってきたサムスン電子にとっては初めて、産別の労組団体が誕生することになる。

サムスン電子初代労組委員長のチン・ユンソク氏は「労働者の権益を奪い返す」と述べ、組合員1万人達成を目標に本格的な活動を始めた。

「無労組経営の原則」がついに終焉

チン委員長はこの日、韓国労総で記者会見を開き、「労働者の権益はわれわれが自ら努力しえたものであり、決して会社から恩恵のように一方的に与えられたものではないことを今こそ自覚すべきだ。われわれは真の労働組合の設立を宣言する」と述べた。

「無労組経営の原則」を守ってきたサムスン電子に、韓国の二大ナショナルセンター傘下の労組が初めて生まれることになる。これまでは3つの小規模労組だけがかろうじて存在してきた。

雇用労働省は11月13日に労組設立申告証を出し、サムスン電子労組が合法的な労組であることを認めた。同労組は同月11日、雇用労働省に労組設立申告証を提出していた。これにより、サムスン電子労組は団体交渉を含む労働組合法に規定された労働組合の権利を行使できるようになった。

チン委員長は「サムスン電子の栄光は会社に青春と人生を捧げた先輩と、昼夜を問わず働く同僚である皆さんがいたからこそ可能だった。しかし、会社はすべての成功を経営陣の慧眼と卓越した経営能力といった神話で包み、彼らだけのお祭りを繰り広げていた」と批判した。

さらに、「彼ら(経営陣)がお祭りを行っていた時、自分の身体より納期日を優先していたわれわれは、知られざる病に倒れ死んでいき、殺人的勤務条件と不合理な立場を我慢できず、会社を辞めるほかなかった」と声を高めた。

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