ローマ教皇が日本来日で残した「珠玉の言葉」

"ゾンビのような生活"への警鐘

「青年のつどい」東京カテドラル聖マリア大聖堂・カトリック関口教会でのフランシスコ教皇(写真:©CBCJ)

東京ドームのミサでの説教では、教皇は「日本は、経済的には高度に発展した社会だが、今朝の若者たちとの集いの中で気づかされたことがある」と語り始めた。そこには38年前にはなかった、「経済戦争」に対しての警鐘の言葉が含まれていた。

未来は多種性、多様性にこそ、実現するもの

「いのちの意味がわからず、自分の存在の意味を見いだせず、社会からはみ出していると感じている人が多く、家庭、学校、共同体は、一人ひとりが支えを見いだし、他者を支える場であるべきなのに、利益とか効率を追求する過剰な競争意識によってますます傷ついていて、多くの人が当惑し、不安を感じています。過剰な要求や平和と安定を奪う数々の不安によって打ちのめされているのです」

教皇はこう述べた。競争力や生産性を追いかけてばかりだと、日常生活で感動したりする感性が失われてしまう。他者と共存していく人生を喜べずに、心の鼓動は止まってしまう、それはまるでゾンビのようだと語った。

「主イエスは食料や衣服といった必需品が重要ではないとおっしゃっているのではありません。何としても、命をかけてまで成功を追求したいという思いに心がとらわれてしまい、孤立することがないよう、わたしたちの日々の選択について振り返るよう招いておられるのです」

「青年との集い」の中では日本の若者には文化的、宗教的な多様性が存在していて、未来はモノトーン一色ではなく、多種性、多様性にこそ、実現するものだと語った。

「世俗の姿勢は、この世での己の利益や利潤のみを追い求め、利己主義は個人の幸せを熱望しますが、実際には巧妙にわたしたちを不幸な奴隷にしてしまいます。そのうえ、真に調和のある人間的な社会の発展を阻むのです」

次ページ教皇の唱える教会の役割とは…
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