うつになりやすい人の意外に典型的なパターン なぜ重症患者ほど「平気そう」な顔をするのか
また、「几帳面でまじめな人ほどうつになりやすい」という俗説がありますが、それはストレスをドーンと真正面から受け止めてしまうからです。そのことばかり考えて、不安になり、さらに落ち込んでしまうわけです。「まあ、いっか」「そんな日もあるさ」「さっさと忘れて、次行こう」みたいに軽く受け流す。物事を楽観的に捉える力は、レジリエンスの重要な要素の1つです。
レジリエンスを構成する要素には、「自己認識」(自分を正しく認識できる)、「自制心」、「精神的敏捷性」(客観性、大局観)、「楽観性」(ものごとを楽観的に捉えられる)、「自己効力感」(自分に自信を持てる)、「つながり」など、いくつもの特徴があります。
レジリエンスを高める方法
1日3分でできて、「自己認識」「精神的敏捷性」「楽観性」「自己効力感」など、レジリエンスのほとんどの要素を高めることができる方法があります。
それは、「3行ポジティブ日記」です。「3行ポジティブ日記」とは、1日の終わりに、今日あった楽しかったこと、ポジティブな出来事を3つ書く、という単純な作業です。例えば、下記のようにその日感じたポジティブなことを書くといいでしょう。
(2)自分が提出した企画書が、意外と高く評価されてうれしかった。
(3)仕事が少し早く終わったので、ジムに行って気持ちのいい汗を流した。
ノートや手帳に手書きで書いてもいいですし、スマホのメモでも大丈夫。SNSに投稿するのもアリです。日記を書くうえで、ポイントは3つあります。
寝る前15分は、最も記憶に残りやすい「記憶のゴールデンタイム」です。そこで、1日をポジティブに振り返ることが、ポジティブ思考のトレーニングとなります。
つらいできごと、嫌な出来事は書かないでください。ネガティブ思考を誘発する出来事は、そのまま忘れればいいのです。寝る前の不安を感じると、睡眠の妨げにもなります。
「楽しいことが3つも思い浮かばない」という人がいます。だからこそ、「楽しい」ことを必死に思い出して、絞り出すことが、ポジティブ思考の格好のトレーニングとなるのです。
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