ヤフーとLINE「統合」はバラ色の未来を描けるか

アジア市場への足がかりとブランド整理の思惑

Yahoo! JAPANは“パソコンユーザー”に最適化したサービスとして、アプリを通じた入り口を多数取りそろえているが、昔ながらの“ネットの入り口”以上の価値を付与できていない。モバイル領域ではメール、地図、ネット通販などトップを取れていないジャンルが多い。

モバイルアクセスが大多数の時代、それぞれのジャンルでレガシーになる中、モバイルユーザーの多くが導入しているLINEとの経営統合は、Yahoo! JAPANがモバイル領域で勝ち残るための最後の選択肢と言える。

LINEはスマホ時代のポータルとなりうるのか?

ウェブブラウザを開けばYahoo! JAPANが表示され、あらゆるネットサービスへとつながる時代は終わり、スマートフォンの第一画面にアイコンが置かれることがネットへの起点となった今、メッセンジャーアプリはどの地域でも“第一画面に置かれる”アプリとして重要な役割を持っている。

ウェブポータルというレガシーから、LINEへとネットサービスへの起点を切り替えることができれば、サービスの品質や多様性を持つYahoo! JAPANが日本市場で強みを発揮できることは間違いない。

LINEの月間アクティブユーザー8000万人というデータは、ツイッターの4500万人、フェイスブックの2500万人(いずれも日本での利用者数)より抜きん出ており、携帯電話事業者を問わず、サービスへの入り口として大きな可能性を秘めている。

しかし、両者の経営統合が“さらなる成長”をもたらすかと言えば、可能性を秘めているものの高いハードルは多数ある。

LINEは、日本において第一画面にアイコンが置かれるもっとも有力なアプリだが、LINEを起点にしたサービスがうまくいっているかと言えば、必ずしもそうではない。メッセンジャーアプリ、無料通話アプリとして絶対的な位置にはあるが、LINEの収益化手法は、Yahoo! JAPANが提供していた“利用者とのほどよい距離感”とは対極にある。

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