日産「キューブ」が誕生20年で生産を終える事情

大ヒット車種が行方を見失った背景とは

2008年に、キューブは3代目へとモデルチェンジを果たした。基本的には2代目を受け継ぐ姿ではあったが、やや丸みを帯びた造形は、立方体という車名の意味を弱め、造形にもどこか迷いを感じさせるところがあった。

一方で、2代目のキューブが実用的な道具としての割り切りがあったのに対し、3代目では走行感覚や室内の静粛性が大きく改善されたほか、内装も素材の質感を高め、上質な大人の乗り味をもつクルマへと様変わりした。

「リーフ」や「ノート」も登場

乗用車の進化としては、順当であったかもしれない。だが、キューブという名のハイトワゴンとしての持ち味は、薄れたといえる。シエンタやフリードなど7人乗りハイトワゴンの台頭もあり、そのままモデルチェンジをすることなく11年の歳月が流れた。2代目で、キューブとしてやり尽くした印象があり、3代目以降への進化の方向を見いだせなかったのかもしれない。

3代目キューブが生産されてきた11年の間に、クルマの衝突安全の規定が厳しさを増していった。また日産からは、電気自動車(EV)の「リーフ」が2010年に誕生。そして今日、リーフの技術を応用したe-POWERというハイブリッド技術も、日産独自の方向性を生み出している。他に、2005年にコンパクトワゴンの「ノート」も生まれていた。

2010年に発売された電気自動車「リーフ」(写真:日産自動車)

こうした変遷の中で、本当にキューブは生き残れなかったのだろうか?

確かに、ノートとの違いはあまり見つけにくい。ただ、ノートに比べ10cm以上の背の高さは、軽自動車界でハイトワゴンとスーパーハイトワゴンの両方がうまくすみ分けられ、スーパーハイトワゴンの人気が上回っている状況を見れば、キューブにも寸法の利点を生かした生き残りの道が残されていたようにも思える。

しかし、ノートは2012年のフルモデルチェンジで、グローバルコンパクトカーに生まれ変わった。世界に発信するため、海外との時差を考慮した時間帯に発表が行われるという段取りで、日産はノートのグローバルカーとしての位置づけを明らかにした。

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