日産「キューブ」が誕生20年で生産を終える事情

大ヒット車種が行方を見失った背景とは

2008年に発売された日産自動車の3代目「キューブ」(写真:日産自動車)

軽自動車ではハイトワゴンの人気が続いており、中でもより背の高いスイーパーハイトワゴンのホンダ「N-BOX」が、爆発的ヒットを持続している。ダイハツ「タント」やスズキ「スペーシア」も、高い人気を誇るスーパーハイトワゴンだ。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

同様の傾向は登録車(普通車)のコンパクトカーにも見られる。トヨタ「シエンタ」や「ポルテ/スペード」、ホンダ「フリード」などもハイトワゴンといえる車種だ。今回のテーマである日産「キューブ」も、ここに属している。

だが、キューブはこのところ販売台数を大きく減らしている。2016年には月間1000台を超えることもあったが、じわじわと販売台数を落とし、2019年に入ってからは300台を割る月もあるほどだ。こうした流れもあり、年内で生産を終了することが決まった。しかし、生産終了の大きな要因は、2020年からの車両安全規定に適合できないためであるという。

真四角デザインの2代目がヒット

キューブは、1998年に初代モデルが誕生し、2002年デビューの2代目で大きな注目を集めた。単にコンパクトカーの背を高くしただけでなく、真四角の箱を印象付ける独特な造形により、外観から室内の広さや使い勝手のよさを想像させる、独特なハイトワゴンとして登場したからである。まさに、「立方体」というキューブの車名そのままの姿で現れたのだ。

2代目キューブの後ろ姿(写真:日産自動車)

また、バックドアをハッチバックとせず扉を開けるような横開き方式とし、リアウインドウはドアヒンジがある側とない側とで、左右非対称となっている。

さらに2003年には、3列シート仕様となる「キューブキュービック」が追加され、全長が4m以下の5ナンバー車でありながら、7人乗りを実現した。いずれにしても、車両概念と外観と車名とがこれほど一致したクルマは珍しい。

2001年に、ホンダから似たような企画で「モビリオ」が誕生しているが、それよりも明快で強い印象を残したのが、2代目キューブであった。

次ページ3代目で質感が向上したものの……
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • コロナ後を生き抜く
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナ時代の勝者と敗者<br>不動産 熱狂の裏側

実体経済の悪化を尻目に、国内外から熱い視線が注がれる日本の不動産。業界の雰囲気とは対照的に、上場不動産会社の株価は軒並み軟調です。コロナ後の新常態で誰が笑い、誰が泣くのでしょうか。現場の最新情報を基に不動産市場の先行きを展望します。

東洋経済education×ICT