嵐・二宮和也の結婚発表に見えた「配慮」の極み 受け入れられ責められにくいリスクヘッジ

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第1に、報道機関と感情に差をつける意味で直筆にしたこと。第2に、嵐としての活動を振り返り、ともに歩んできたことを実感させたこと。第3に、「20年間」「人生の半分以上」という長い年月を具体的に伝えていること。第4に、相手女性や交際に一切ふれなかったこと。第5に、「男としてのケジメ」「後に、良かったと言ってもらえる様に」と覚悟を見せたこと。

上記5つの点で、ファンが「寛容な気持ちになりやすい」「不満はあっても受け入れやすい」ことを追求した文章であり、しっかりとリスクヘッジになっていたのです。

「客、本人、家族を守る」重要なリスクヘッジ

ファンに対する「配慮」という形でのリスクヘッジは、これらの文章だけではありません。

ジャニーズ事務所のタレントでは、9月28日にTOKIOのリーダー・城島茂さんがタレント・菊池梨沙さんとの結婚会見を開いたばかりですが、二宮さんは会見なし。結婚の内容どころか、相手の名前すら言いません。

二宮さんの結婚相手は元フリーキャスターであり、数多くのバラエティ番組にも出演していました。多くの人々が、相手女性の名前、出会いの場所、さらに所属事務所を辞めて表舞台に出なくなったことも知っています。

しかし、テレビ・新聞などの大手メディアは今回の結婚発表で、相手の名前や写真を掲載しませんでした。これはジャニーズ事務所なのか、相手女性によるものなのか、詳細はわかりませんが、祝いごとであるにもかかわらず掲載されないのは「ブレーキがかかっているから」にほかなりません。

これほどの厳戒態勢を敷くのは、まさにリスクヘッジ。「ファン(客)に余計なストレスをかけない」「二宮和也(本人)の人気急落や嵐への悪影響を防ぐ」「相手女性(家族)へのバッシングを避ける」という3者への意味を込めた重要な対策とも言えます。

「恋愛や結婚の報道を隠してばかり」などと批判されることも多いジャニーズですが、それだけ「リスクヘッジの意識が強い」ということ。二宮さんに限らず、すでに結婚したタレントたちのほとんどが、「相手とのツーショットを見せない」「できるだけ家庭の話はしない」などの姿勢を徹底していることが、意識の強さを物語っています。

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