超初心者のための「月3000円から投資」の始め方 ローリスク・ローリターンでも増やせる

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デメリットは、老後資金の準備のための制度なので、60歳にならないと引き出せないこと。60歳になるまでは教育費に使ったり、失業したときの生活費に使うということはできません。それらの費用は別途準備しておく必要があります。

「NISA」は、個人投資家向けの非課税優遇制度。毎年120万円まで運用益に課税されません。非課税金額は最長5年なので、投資総額の上限は600万円。iDeCoと異なり、用途は老後資金に限りません。

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NISAは、iDeCoと比べて自由度がかなり高い制度です。いつでも解約・売却できるため、教育費や生活費の足しに、と引き出すことができます。遠い先の老後というよりは近い将来使うお金を定期預金代わりに入れておく運用方法といえるでしょう。とはいえ、現在50代以上で老後までの時間があまりなく、急いで老後資金を作りたいという方も総額600万円まではこの税制優遇制度を活用することができますね。

「つみたてNISA」は、NISAから派生してできた非課税優遇制度。NISAと異なるのが、「積立」方式のみであること。また“積立”期間が20年と長く、コツコツ積み立てる制度です。

1年間で利用できる金額は40万円なので、20年間で総額は800万円までOK。NISAと同じように、期間途中でも、いつでも現金化することができる点も便利です。

資産運用は自分で自分の身を守る1つの手段

最近多い質問が、「NISAがいいのか? つみたてNISAがいいのか? それともiDeCo?」という、どれを選べばいいのかわからないので教えてほしいというものです。しかし、何を選ぶべきかは、その人の状況によって違うので一概にコレ!とはいえないものです。

資産運用は確かに自己責任で、元本割れするリスクもあります。自分の生活の中でどれだけリスクがとれるか、と見極める必要があります。

制度の違いがよくわかるよう、簡単な表にしてみましたので、参考になさってください。

自分で自分の身を守る力が人生100年時代をサバイバルできるカギ。その1つの手段が資産運用です。

ここまでお伝えしてきた家計改善の考え方やお金の価値観が、「資産運用」を推進するエンジンとなります。危なくない投資もあることを知って実践していきましょう。

横山 光昭 家計再生コンサルタント、マイエフピー代表

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よこやま みつあき / Mitsuaki Yokoyama

お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の問題の抜本的解決、確実な再生を目指し、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は2万3000件を突破。各種メディアへの執筆・講演も多数。著書は、60万部突破の『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は120冊、累計330万部となる。個人のお金の悩みを解決したいと奔走するファイナンシャルプランナー。

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