Facebook「利用者24億人を超えた」スゴい仕組み なぜ大学生専用SNSが世界一になれたのか

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フェイスブックを使う理由は、実名性という最大の機能的特性ゆえの種々のメリットと社会的な価値にあるだろう。創業者のザッカーバーグも「大学の社交(ソーシャル)を全部ここに移すんだ」と述べている。匿名性ゆえの「荒れた」コミュニケーションにはなりにくい、大人な、穏やかな、そんな場になるということだ。

企業もそのほうがマーケティング上有益なので、社会的な注目度は高まり、ユーザー側のボリュームも大きくなっていった。

そして若者から流行は始まったものの、日本には大人のためのソーシャルネットワークがなく――おおむね、LinkedIn(いわゆるビジネス特化型のSNSで、職歴やキャリアをまとめ、仕事上のネットワークを広げたり、交流したりするためのサービス)のようなキャリアと結びついたものになるが、日本では転職やソーシャルネットワークの社会的文化が根付いていなかった――フェイスブックがそのポジションを代替的に占め、普及への足がかりとした。

Facebookが広く普及した理由

筆者は、実名で社会的なポジションを背景にしていることから、さまざまなサービスの中での承認プラグインとして使われていたことも普及の要因として大きいと考えている。

フェイスブックでアカウントを持っていれば、サービスごとに面倒なアカウント登録作業やログインをしなくても済むのだ。このような利便性は、日々ウェブサービスへの依存を深める私たちにとって重要なことだ。

そのほか、フェイスブックはZynga(ジンガ)社を通じて、「FarmVille」などのソフトを立て続けにリリースするなどの打ち手も実施した。いわゆるソーシャルゲームの導入だ。1人でゲームをしているより、つながっているみんなで遊ぶほうが楽しいでしょう、というわけである。

日本では、ミクシィのリリースした「サンシャイン牧場」、あるいはDeNAやGREEのリリースした一連のソーシャルゲームがその市場を制した感があり、使うユーザーの数、普及のスピードとタイミングがかみ合わなかったため、施策効果としては難しい面もあったが、狙いとしては正しい位置にあった。

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