「米景気後退は不可避」といえるこれだけの理由

利下げがひとまず打ち止めならどうなるのか

パウエルFRB議長は3回連続となる利下げを発表。ひとまず材料出尽くしとの見方も多い(写真:新華社/アフロ)

10月29~30日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)では、大方の予想どおり3会合連続での利下げが決定された。

FOMC後の記者会見は、パウエルFRB議長の勝利宣言

声明発表後に行われたジェローム・パウエルFRB議長の会見は、金融政策は非常に良好な状況にあるとしたほか、現在の経済の好調さはこれまで予防的な利下げを行ってきたことの成果とするなど、さながら議長の勝利宣言のような内容だったと言っても過言ではないだろう。ドナルド・トランプ大統領から厳しい批判を受けながらも、自らの方針を貫いてきたことの成果について、非常に満足しているような印象を受けた。

年初にパウエル議長が金融政策の変更を示唆、利上げが早期に停止されるとの見方が強まって以降、ここまでの株価上昇の大きな原動力となってきたFRBの金融緩和に対する期待が、ひとまず材料として出尽くしとなったことの意味は大きい。

前回のコラム「NYダウは最高値更新後、暴落の可能性がある」では、FOMCに前後して株価が史上最高値を更新するとの見方を示したが、はたしてその後株価はしっかりと上昇。S&P500種がFOMCを待たずして最高値をつけたのに続き、2日後の11月1日にはナスダック総合指数も最高値を更新、週明け4日にはやや出遅れ感のあったダウ工業平均も後を追う格好となった。

米中の貿易交渉進捗に対する期待が高まったことや、10月の雇用統計が強気の内容となったことが手がかりとなった部分もあったが、FRBによる金融緩和が投機的な買いを呼び込んだのは間違いないところだろう。

もっとも市場は議長が自画自賛するほど、声明の内容には満足していないと思われる。今後の金融政策について、景気の拡大のために必要な行動を取る(will act as appropriate)との文言が削除された、ひとまず利下げもこれで打ち止めになることが強く示唆される格好となったからだ。

会見で議長が、「インフレ圧力が相当に高まらない限りは利上げを検討することはない」 と発言したことを受け、一時的に買いが集まる場面も見られたが、その後はポジション調整の売りに押し戻される展開。FOMC後の反応は、基本的にネガティブなものだったということができよう。

この先は株価の調整が大きく進む場面でも、FRBの緩和策に期待はできなくなる。景気減速が進む中、今後は経済指標にも弱気のサプライズがさらに多く見られるようになるだろう。最終的には景気後退(リセッション)に陥るおそれも高いとされる中、支えを失った株式市場が大きく値を下げることも十分にありうると考えておくべきだ。

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