「米景気後退は不可避」といえるこれだけの理由

利下げがひとまず打ち止めならどうなるのか

一方で消費者心理も景気の先行きを判断するうえで重要な先行指標となるが、こちらは依然として好調さを維持しているということができそうだ。

カンファレンスボードの消費者信頼感指数は、今年7月に135.8と最近の高値をつけるなど、今のところ悪化の兆しは見えていない。消費者心理は株価の動向に影響される部分が大きく、株価が史上最高値の更新を繰り返している今の状況を考えれば、当然の結果ということができるだろう。

リセッション入りの明確なサイン?

またカンファレンスボードの行う調査の質問項目に将来の雇用に関するものが含まれていることも大きく、現時点では雇用の好調さが指数押し上げの一因となっているようだ。

(データ:カンファレンスボード)

もっともこうした消費者の景況感に関しても、少し視点を変えるとまったく違ったものとなってくる。

下のグラフはもう1つの代表的な消費者調査であるミシガン大の消費者指数から、カンファレンスボードの信頼感指数を差し引いたものであるが、ここへきて急速に低下していることが見て取れよう。

ミシガン大の調査は、カンファレンスボードのものよりも、より短期的な景況感を反映するとされており、足元では思った以上に消費者心理の悪化が進んでいるようだ。過去の例を見る限り、両指数の差にここまでマイナスが広がった際には、その後しばらくするとリセッションに陥っている場合がほとんどだ。

注目すべきは、リセッションの前にはこの差が急速に縮小に転じている点だ。これはミシガン大の数字がさらに下がるというよりも、カンファレンスボードの方が一気に悪化することが背景にあり、それが結果的にリセッション入りの明確なサインとなっている。この先両指数の差が縮小に転じた際には、警戒感を改めて強める必要があるだろう。

(データ:ロイター/ミシガン大、カンファレンスボード)
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