「米景気後退は不可避」といえるこれだけの理由 利下げがひとまず打ち止めならどうなるのか

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こうしたデータを見る限り、リセッションに陥るのはもはや時間の問題と考えておいたほうがよさそうだ。リセッションの定義は2四半期連続でのマイナス成長ということなので、早ければ今年の10~12月期からリセッション入り、それが確認されるのは来年4月以降ということになるのではないか。

もちろん、ギリギリのところで回避できるのかもしれないが、今となっては大きな問題ではないだろう。いずれにしてもこの先景気がさらに減速するのは間違いないし、それが改めて株価を押し下げるようになるのも避けられないと考えられるからだ。市場にとって重要なのは、リセッション入りが確認されるかどうかではなく、今後の株価の調整がどの程度大きなものになるのかということなのではないか。

トランプ大統領はあらゆる手段で景気浮揚に走る

今のところ株式市場は好調さを維持しているが、実際に景気がリセッションに陥るか、目前まで悪化した場合には、それを反映する形での調整は避けられないだろう。もちろん政府がそうした状況を、手をこまねいて見ているだけということは考えられない。

来年の大統領選で再選を目指しているトランプ大統領だけに、あらゆる手段を用いて景気を浮揚させようとしてくるだろう。足元の状況を見ているだけではリセッションは避けられないのかもしれないが、状況は時間と共に変わってくるものでもある。相場の先行きを読むには、こうした状況の変化も想定したうえで、その影響を見極めなければならない。

今後株式市場が大幅な調整局面に入るのを回避することができるとすれば、どのようなシナリオが考えられるのか、次回のコラムではこの部分に焦点を当ててみたいと思う。

松本 英毅 NY在住コモディティトレーダー

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まつもと えいき / Eiki Matsumoto

1963年生まれ。音楽家活動のあとアメリカでコモディティートレードの専門家として活動。2004年にコメンテーターとしての活動を開始。現在、「よそうかい.com」代表取締役としてプロ投資家を対象に情報発信中。NYを拠点にアメリカ市場を幅広くウォッチ、原油を中心としたコモディティー市場全般に対する造詣が深い。毎日NY市場が開く前に配信されるデイリーストラテジーレポートでは、推奨トレードのシミュレーションが好結果を残しており、2018年にはそれを基にした商品ファンドを立ち上げ、自らも運用に当たる。ツイッター (@yosoukai) のほか、YouTubeチャンネルでも毎日精力的に情報を配信している。

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