東京モーターショー、来場者130万人超えの裏側 キッザニアとの初コラボで家族連れが激増
キッザニアは東京と関西に1拠点ずつ展開するが、自動車業界では1業種1社が原則で、現在は三菱自動車が出展している。「モーターショーとコラボしようという発想はわれわれにはなく、自工会から打診を受けた」とキッザニアを運営するKCJグループの広報、中島めぐみ氏は話す。
キッザニアは各社から提案された企画を尊重したうえで、出展企業の担当者向けに「楽しみながら学ぶ」ことができるようにプログラムの進め方や子どもとの接し方をアドバイスしたという。「子どもを子ども扱いせずに大人扱いする」といったキッザニアの流儀も各ブースで守られていた。
新車を発表しないトヨタ
モーターショーの変革を訴えた自工会の豊田会長はトヨタブースを大胆に変えた。従来のモーターショーの花形と言えば、「ワールドプレミア(世界初)」「ジャパンプレミア(日本初)」の披露だったが、トヨタは今回モーターショー期間中の新車発表を封印した。
燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の次期型車や、人工知能を内蔵し来年の東京オリパラで聖火リレーやマラソンの先導車として使われるコンセプトカー「LQ」はモーターショー開催前に発表し、フューチャー・エキスポに展示。モーターショー開催前にワールドプレミアを行った新型「ヤリス」はモーターショー会場に隣接する商業施設に展示しており、これまでの常識では考えられない対応だ。
「車に興味がない人や未来を一緒に作っていきたいと考える人を惹き付けるブースにした」と豊田社長が語るように、トヨタブースは「体験できるモビリティのテーマパーク」がコンセプト。病院に向かう車内で医者と問診ができる未来のヘルスチェックや、ロボットが接客する未来のコンビニを体験できるようにした。
来年の東京オリパラで選手村のモビリティとして使われる「e-Palette(イーパレット)」や1人乗りに特化した「個室モビリティ」のコンセプトも時折登場した。未来のモビリティを展示しつつも、主役はあくまでも人で、どんな使い方ができるかを来場者に自由に考えてもらう触れ込みだ。休日ともなると、体験コーナーには家族連れを中心に長蛇の列ができていた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら