東京モーターショー、来場者130万人超えの裏側 キッザニアとの初コラボで家族連れが激増
今回のモーターショーで目を引いたのは子どもを含む家族連れが格段に増えたことだ。従来は中学生以下無料だったが、今回は無料範囲を高校生以下にまで拡大。14歳以下の来場者の割合は前回比で約7割増加したという。ベビーカーで訪れる人も多かった。
家族連れの人気を牽引したのはフューチャー・エキスポや職業体験施設「キッザニア」との初コラボだ。フューチャー・エキスポにはNTT、パナソニック、NECなどの異業種の大手やベンチャーを含む62の企業・団体が出展し、約50万人が来場。あたかもその場にいるかのような臨場感あふれるスポーツ観戦や顔認証技術によるショッピングなど、未来の生活を体験できる展示が来場者を惹き付けた。
自工会東京モーターショー特別委員会の長田准委員長(トヨタ自動車国内販売事業本部副本部長)は「体験型や子ども向けの企画が家族の関心を呼んだ。今までのモーターショーではこなかった人にたくさん来てもらえた」と集客増の要因を分析した。
マツダは「金型磨き職人」の体験を提供
キッザニアでは、自動車メーカー、部品メーカーなど11社が職業体験プログラムを提供し、約1万人の子どもが参加した。開催前の段階で休日の事前予約枠はいっぱいになり、当日の枠も予約開始とほぼ同時に埋まるほどの人気ぶりだった。
マツダは「金型磨き職人」の仕事を用意。本物の金型職人による金型磨きの実演を見た後、子どもたちは、目の粗さが違う2種類のやすりを使い、東京モーターショーのキープレートをピカピカに磨き上げた。「金型製作への強いこだわりを出そうと考えた」とプログラムの企画を担当したマツダブランド戦略部の塩﨑さと子氏は話す。
マツダは2012年にブランド共通のデザインテーマ「魂動(こどう)」を導入し、車種は違っても一目でマツダ車と分かるデザインにこだわる。その精緻なデザインを実車に反映するためには、機械で大部分を作る金型であっても、最後は職人による磨き作業が欠かせない。
小学1年生の男の子を参加させていた男性は「モーターショーは2回目で久しぶり。キッザニアとのコラボがあったので来た。子どもがものづくりに関心を持つきっかけになればいい」と話す。
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