東京モーターショー、来場者130万人超えの裏側 キッザニアとの初コラボで家族連れが激増
入場者100万人の目標を掲げた東京モーターショー。自工会は従来以上にマスメディアに広告を出稿。テレビにも頻繁にCMが流れた。会員企業の自動車メーカーにも広告出稿を働きかけた。
また、自工会会長企業であるトヨタもグループ一体となって入場者増に貢献した。会場周辺にはデンソーやアイシン精機のバスも並び、グループ企業の社員も駆り出された格好だ。都内にあるトヨタグループ傘下の企業では、社員全員が業務時間にモーターショーに行くことが義務づけられ、希望すれば2枚チケットが配られたという。従来1人当たり1枚チケットが配られるだけだったというから大きな違いだ。
また、西日本のトヨタ系販売会社の幹部は「1社あたり15枚以上のチケット購入が求められた」と話す。連結従業員数が約37万人のトヨタが本気を出せば、動員で一定の入場者増は可能だろう。トヨタ幹部も動員をかけたことを否定しない。
ベンチャー企業が参加した意味
入場者数ももちろん大事だが、今回のモーターショーで意味があったのは、ベンチャー企業も数多く参加したことだ。災害時に人を救助するドローンや、なわとびによる運動能力診断システムなど、ベンチャー企業が磨きをかけている新技術や新製品を披露した。
パナソニックで車載機器部門を担当する柴田雅久専務執行役員は「自動車産業の裾野をベンチャー企業にも広げていかないと地盤が緩んでいく。技術革新には大手とベンチャーが一緒に取り組む必要があり、今回一緒に展示できたのは両者の融合という意味で画期的だ」と話す。実際、トヨタが今回お披露目したオリパラ向けイーパレットの自動運転システムを担ったのは、創業4年ほどのベンチャー企業「ティアフォー」だ。
豊田会長は「トヨタ、そして自動車業界が日本を元気にするために、モーターショーを『未来へのお祭り』にする第一歩を踏ませてもらった」と話す。日本車の世界シェアは3割とその存在感は依然として大きい。東京モーターショーをきっかけに、今まで以上に異業界とコラボしていく、“巻き込み力”が日本の自動車業界には求められている。
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