日経平均大幅続落、1万4500円割れ 新興国リスク高まり、先物売り強まる

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2月20日、東京株式市場で日経平均は大幅続落。新興国リスクの高まりで先物売りが強まった。写真は東京証券取引所のロゴ。1月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 20日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅続落。3営業日ぶりに200日移動平均線(1万4481円55銭=20日)を下回った。

米国株安を背景に、朝方から主力株を中心に売りが先行。2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が悪化したことが伝わると先物売りが活発化し、日経平均は一時337円安。東証1部の9割近くが値下がりし、全面安となった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受けた前日の米株安に加え、午前10時45分にマークイット/HSBCが発表した2月の中国製造業PMI速報値が前月から悪化すると投資家心理が後退。コマツ<6301.T>など中国関連株が一段安となったほか、海運や鉄鋼なども軟調。銀行、証券やノンバンクなどの金融株、不動産株も下げ基調を強めた。

中国マクロ指標の悪化を受けて「1月と同様、再び新興国リスクが高まる可能性がある」(楽天経済研究所シニア・マーケットアナリストの土信田雅之氏)との警戒感が広がったという。国際通貨基金(IMF)が、新興国市場で生じている金融問題について警鐘を鳴らしたことも懸念された。投資家に運用リスクを避ける動きが広がり、日経平均が節目1万4500円を割り込んでも押し目買いは限定的だった。

朝方発表された1月貿易収支は2兆7900億円の赤字と、過去最大の赤字幅となった。野村証券チーフエコノミストの木下智夫氏は「輸出では円安にもかかわらず、国内生産が伸びていないため、輸出量が増えない。企業は海外拠点を活用する傾向を強めている」と指摘し、「基調の弱さが気がかり」とコメント。株価先行きにとってマイナスとの見方を示した。

個別銘柄では、ファーストリテ<9983.T>やソフトバンク<9984.T>、ファナック<6954.T>など指数寄与度の大きい銘柄が軟調。先物売りに伴う裁定解消売りに押されたとみられる。3銘柄で日経平均を約80円押し下げた。

半面、バイテック<9957.T>は小反発。中国大手と合弁で太陽電池を生産するとの一部報道を材料視した。

東証1部騰落数は、値上がり167銘柄に対し、値下がりが1547銘柄、変わらずが67銘柄だった。

(杉山容俊)

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