中国製造業PMIを、どう読めばいいのか HSBCの2月速報値は、7カ月ぶりの低水準

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2月20日、マークイット/HSBCが発表した2月の中国製造業PMI速報値は48.3で1月の改定値49.5から低下し、7カ月ぶり低水準となった。写真は安徽省合肥の工場で昨年11月撮影(2014年 ロイター/China Daily)

[北京 20日 ロイター] -マークイット/HSBCが発表した2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は48.3で1月の改定値49.5から低下し、7カ月ぶり低水準となった。雇用指数が5年ぶりの低水準に落ち込んだことが背景にある。

PMIは50が景況の改善・悪化の節目。1月31日から2月初旬までの春節(旧暦の正月)の連休が、製造業の生産に影響したとみられる。

序盤に上昇していた中国の上海総合指数<.SSEC>は、PMIの発表を受けて値を削った。アジア全体で株式市場が軟調に推移している。

スタンダード・チャータード銀のエコノミスト、スティーブン・グリーン氏は「全面安の様相を呈している。市場は国内経済に関連する数字よりも輸出関連に連動するはずだ」と述べ、ここ数カ月間で輸出の数字は強めに出ているため、こうした反応は若干想定外との見方を示した。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(香港)のTing Lu氏とXiaojia Zhi氏は「貿易統計や信用の伸びが市場予想を上回っており、これまで公式データで示された経済指標は強弱まちまちだ」と指摘。現時点で、短期的に経済が勢いを増す兆候はあまり見受けられない、と述べた。

2月の雇用指数は46.9で、2009年2月以来の低水準。低下は4カ月連続となっている。

PMIの雇用指数は中国の労働市場の健全性を測る数少ない指標の1つ。雇用関連の分野は、社会の安定を維持するために失業率を低めに抑えたい中国政府にとって優先課題だ。

アナリストの間では、指標が弱い内容となれば、成長ペースの維持に向け金融政策が緩和されるきっかけになるとの見方も出ている。

ノムラ(香港)のZhiwei Zhang氏は、預金準備率(RRR)が第2・四半期に50ベーシスポイント引き下げられる、との見通しを示した。

新規受注のサブ指数は7カ月ぶりに50を割り込んだ。新規輸出受注は1月からは上昇したが、引き続き50を下回った。

HSBCの中国担当チーフエコノミスト、屈宏斌氏は「ディスインフレ圧力の強まりは、実質的な製造業の伸びが鈍化する可能性を示している」と指摘。「中国政府がこれからの1年で成長ペースを維持するよう政策を微調整すべきで、それが可能だと信じている」とコメントした。

季節的な要因に加え、輸出主導から内需主導型経済への移行を目指す政府の施策も、押し下げ要因となっている。

 

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