エーザイが開発中止の「認知症薬」復活のわけ 株価急騰、世界初の治療薬に高まる期待

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一方、今回は3285人の被験者全員を対象に分析し、決められた一定の投与期間に満たなかった被験者も、統計学の手法で効果を予測することで分析対象のデータに組み入れた。

分析対象となる人数が増えただけで異なる結果が出たのは、「期間の途中で治験内容を変更し、高用量を投与する患者が増えたこと」(エーザイ)だと考えられている。

当初は副作用の大きさから、特定の遺伝子を持つ患者への投与量は少なめに抑えられていた。だが、副作用のコントロールがある程度できるようになったことで、2017年3月から特定の遺伝子を持つ患者への投与量を増加させた。治験終盤には高用量を投与された患者の割合が増えており、最終解析の成績がよくなったというわけだ。

アデュカヌマブ申請が承認されない懸念も

今後の焦点は、当局に申請が受理され、承認にこぎ着けることができるかだ。アデュカヌマブは一度中止になった後の申請という異例の展開をしているだけに、承認を得られない懸念がある。

実は2つの試験のうち、1カ月先に始まった試験では、偽薬を投与する「プラセボ群」よりアデュカヌマブを投与した患者のほうが症状が悪化するという結果が出ている。

そういった点を含めアメリカの当局が認める可能性について、内藤CEOは「治験は2つとも高用量では奏功しているという点で一貫している。そこを評価してもらえるのではないか」と話すものの、見通しはまだ不透明だ。

アデュカヌマブの治験結果の詳細は、12月に開催される学会で発表される予定だ。ここでの発表に注目が集まる。

石阪 友貴 東洋経済 記者

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いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

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