不況で「たい焼き」がはやる理由、店と消費者のどちらもお手頃


 1909年に元祖たい焼き店「浪花家総本店」(東京・麻布十番)が創業してから100年。庶民のおやつ「たい焼き」の店舗が全国的に増えている。ブームの背景には不況の影響もありそうだ。

薄皮たい焼き店「たい夢」などを全国展開するオーバンは、今年度の店舗数を5割以上増やして400店超に拡大する計画。1店当たりの出店費用は300万~500万円で、10日間もあれば焼き方をマスターできる。この参入障壁の低さに惹かれ、「再就職先として、オーナーを志す人が増えている」(佐藤信男社長)。ラーメン店など異業態からの転身組もおり、1人で10店以上経営する人もいるという。同社では2カ月ごとに季節限定メニューを投入するなど、客を飽きさせないよう工夫を凝らしている。

一方、従来にないコンセプトで市場を席巻するのが「白いたいやき」。焼き色がつかない白い皮と、独特のもちもちした食感が特徴。材料を開発した鳥越製粉は「昨年1月の販売数量1000袋(1袋は20キログラム)から、今年は1万袋を軽く超える勢い」(総務部の安達松樹部長)と言う。すでに複数の全国チェーンで計500店舗以上が取り扱っている。

消費者にとっても100円前後でおなかが膨れるたい焼きは、寒い懐具合の強い味方。しだいに寒くなる中、ブームはますます過熱しそうだ。

(前田佳子 =週刊東洋経済)

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