マクドナルド、原田体制の完全なる終焉

名実ともにカサノバ氏が1トップに

2004年、CEO就任当時の原田氏(撮影:吉野純治)

原田マジックの強さは、喧伝されているような商品を売り込むマーケティングにだけあるのではない。ある元幹部は「外食という成熟市場で売り上げを伸ばすには、マーケティングと店舗運営の精緻な連携が必要だ」と指摘する。

原田氏がトップに就任して以来、日本のマクドナルドは米国本社との連携を深めてきた。世界各国でヒットした「ワンダラー商品」(100円マック)や「プレミアムローストコーヒー」を日本国内にも導入し、ヒットさせてきた。それはマーケティング力もさることながら、本部の指示を店舗運営に落とし込む現場力があってのことだった。

FCシフトの功罪

ところが、その店舗と人材に異変が起きている。マクドナルドは2006年から直営店のFCへの売却を続けている。原田氏はその目的を「FCビジネスを強化し、全店での投資を最適化する」と説明してきた。2007年から累計で1400店以上をFCに譲渡したことで、全店に占めるFC店の比率は2007年末の28%から2013年末には68%にまで上昇。2008年以降の店舗関連の売却益は累計で150億円に達する見込みだ。

性急なFC化は収益の底上げと人件費などのコスト削減をもたらしたが、一方で土台を支える現場力は低下傾向にある。財団法人日本生産性本部傘下のサービス産業生産性協議会が行っているJCSI(日本版顧客満足度指数)によれば、2010年の調査では外食企業21社中、マクドナルドの顧客満足度は14位、ブランドへのロイヤルティ(同じブランドを複数回購買する程度)は2位だった。だが、2013年にはどちらも27社中、最下位となった。

調査にかかわった法政大学大学院の小川孔輔教授は「性急なFC化路線でサービスが落ちている。特にこの1年間で劇的に数値が低下した」と指摘する。業界でも「直営で社員だからこそモチベーションが向上し、高いサービスが維持できる。FC化後も同じ水準を維持できるのか」(外食チェーン幹部)という声も強い。

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