風景撮影「ここまでやったら犯罪」意外な境界線 アンケートで続々と集まる「怒りの声」

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<三平弁護士の見解>

駐停車が禁止されている公道への駐車は、「道路交通法」違反になります。標識の撤去も道路交通法の第115条で禁止行為とされています。罰則も重いので、撮影に邪魔だからと標識を動かしたり、壊したりすることは厳に慎みましょう。

<こんな罪になる?>

道路交通法違反(路上駐車)
15万円以下の罰金

道路交通法違反(標識の撤去)
5年以下の懲役または20万円以下の罰金

暴言をはくカメラマンが後を絶たずトラブルに

撮影ポイント周辺にいるのは、カメラマンだけではない。観光客もいれば、その地域の住民もいる。しかし、場所の占有の項でも触れたが、自分のカメラの画角に入るからという理由で、一般人に暴言をはくカメラマンは後を絶たない。当然、トラブルに発展することもある。

●剱岳近くの平の池で北方稜線を撮影していたところ、すぐ隣にやってきた男性カメラマンが、登山道を歩く登山者に向かって「そこ歩くな、邪魔だぞー」と叫び始めた。「あそこは登山道ですよ、待つしかないでしょう」と言ってもやめなかった(60代 男性 自治体臨時職員)

●一般の方の通行する場所なのに撮影に夢中で人の流れを阻害しており、ぶつかってしまった通行人にあろうことか撮影者が激高。激しいけんかになっていた(40代 男性 公務員)

●ある寺の桜の木の前で花吹雪を狙っている数人のカメラマンが、ちょうどよい風が吹いてシャッターチャンスが到来したときに、フレームに入ってきた人たちを恫喝していた。寺なので参拝する人もいるのだから、その行動は到底理解できるものではない(50代 男性 会社員)

●一般の観光客の小さい子ども連れの若い女性に対して、後ろから、「おい! どけろ!」といって無理やり場所を空けさせていた(50代 男性 会社員)

こうした暴言が発端でトラブルとなり、ケンカ沙汰になったという例もある。

●湿原内で木道を離れて湿原に入り三脚を立てて撮影していた人に、カメラバッグと三脚を持った人が注意していたが、湿原に入った人が無視し続けたせいか、注意した人が三脚で殴りかかっていた(50代 男性 職業不詳)

●マナーの悪い人に注意したら逆切れして、殴りかかっていた。通行人に「どけ」「早くいけ」「バカ」の暴言もある(70代 男性 無職)

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