創業67年「岡山デニム」の生き残りをかけた決断

ジョンブルが投資ファンド傘下に入った事情

岡山県倉敷市のアパレルメーカー・ジョンブルではデニムを使った商品など、数多くの商品を展開する(撮影:梅谷秀司)

創業は昭和27年(1952年)というから、戦後復興の匂いがまだ濃厚に立ち込めていたに違いない。その70年近い会社の歴史の中で、創業家とは無縁の経営者へ2度も事業承継を果たした会社がある。岡山県倉敷市のアパレルメーカー・ジョンブルだ。

元の社名は「カネワ被服」と言った。学生服や作業服のメーカーとして創業し、1960年代前半にジーンズの製造に着手。その後、小売事業にも進出し、最近はジーンズ以外にミリタリーファッションやストリート系のアウターウェアなど、取扱商品の領域を広げていた。

ちなみに、1967年に社名変更した「ジョンブル」の由来はユニークだ。地元・倉敷市児島地域のジーンズメーカーの間で当時、アメリカ人によくある名前にちなんだ社名をつけることが流行した。同社は最初、「ブルジョン」でいこうとしたが、「ジョンブルには『英国紳士』の意味もある。ひっくり返そう」。創業社長の鶴の一声で、ジョンブルに決まったという。

アパレル不況の影響受け、業績不振に

だが、ブレグジットに揺れる英国紳士同様、ジョンブルの歩んできた道のりも決して平坦ではなかった。

地元メーカーのショップが集まる児島ジーンズストリート(撮影:梅谷秀司)

本社のある児島地域は国産ジーンズ発祥の地として知られる国内有数の繊維産地だ。地元にいくつかあるデニムメーカーと同様、ジョンブルもアパレル不況の影響を受け、近年は業績不振にあえいでいた。

売上高は30億円規模で、従業員は195人。2017年7月期と2018年7月期は赤字に転落した。2019年7月期は黒字回復したが、絶好調とまでは言いがたい。

加えて、ジョンブルを襲ったのが事業承継問題だ。2代目だった前社長の北川敬博は現在59歳。北川も、血のつながりのない創業社長、福田和嘉から経営者の地位をバトンタッチされ、1993年に2代目社長に就いた。

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