創業67年「岡山デニム」の生き残りをかけた決断 ジョンブルが投資ファンド傘下に入った事情

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「業界の人に会うごとに、『なんで大類さんなの?』と聞かれた」

マーガレットハウエルなどで、数々のブランド立ち上げに関わってきた生産担当のCOO、大類尚(撮影:梅谷秀司)

COOとして生産部門を担当する大類はそう言って笑う。生産の「プロ」である大類は三陽商会や髙島屋、マーガレット・ハウエルなど数々の有名ブランドで、産地に入ってゼロからビジネスを立ち上げた経験を持つ。

大類は旧知の塚田に誘われてジョンブル入りを決めるが、そういう大類を知る業界人にしてみれば、ある日突然、岡山県のアパレルメーカーのCOOに転じた大類に意外な感を抱いたようだ。

「メードインジャパン」の仕事ができる

CEOの塚田も、ベイクルーズ社で「ジャーナル・スタンダード」ブランドを立ち上げた。学生時代にたびたび渡米するほどの服好きで、24歳でベイクルーズに入社。以来、20年間にわたり、バイヤーや新規事業の立ち上げなどの仕事に携わってきた。

「ジョンブルに行けば、本来の意味の『メードインジャパン』の仕事ができる。大量生産のこの時代に、アパレルの新しい時代を切り開けるのではないか」。塚田はそう意気込む。

ただ、塚田が「アパレル界のホンダ」と例えるジョンブル再浮上に向けた課題は山積している。自動車以外に飛行機や船外機、農機具なども手がけるホンダに似て、ジョンブルの商品数はこの規模の会社としては多い。直営店舗も東京・原宿のほか、大阪・梅田など10店舗ほど展開している。

塚田は「モノの作り方から売り方、打ち出し方まで、社員の中によいものを作っている自負はあったと思うが、そこにとらわれて時代の変化に敏感に対応できなかった。今の時代に合った(ブランドや商品の)ブラッシュアップが必要だ」と話す。

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