ドラクエとマリオの新ゲームに見た課金の価値 スマホ向け大型タイトルは何で稼いでいるか
ドラクエウォークもマリオカートツアーも課金の軸は、いわゆる「ガチャ」です。
ドラクエウォークでは課金をして「ジェム」を購入し、「ふくびき」というガチャを回して武器や防具などを入手できます。当然ながら強い武器を入手するためには、たくさんのジェムが必要となるため、早期に強い武器をそろえたい人は課金をしてガチャを回すことになるわけです。
とくにゲーム業界の方からすると、ドラクエウォークが初期から「ロトの装備」というコアなドラクエファンであればそろえたくなるラインナップを惜しげもなく投入してきた影響は大きかったようで、私の周囲でもジェムを大人買いしてロトの装備一式をそろえた人が複数いるぐらいです。
ドラクエといえば、RPGシリーズ累計出荷数は7600万本を超えているとも言われる大人気ゲーム。ドラクエウォークは無課金でもある程度問題なくプレイは可能なのですが、強い武器や防具をそろえるのに課金をいとわないドラクエのファン層と、ガチャという課金システムの相性が非常によく、ゲームリリース当初から早期にセールスランキングの1位に張り付くほどの人気につながったと言えるでしょう。
日本ではスマホゲームの課金の仕組みとしてガチャが一般的で、セールスランキングで長年上位争いをしている「パズドラ」や「モンスト」などのゲームも基本的にガチャを収益源にしています。
日本以外ではガチャ的な課金は好まれない
ただ、実は日本以外の国ではガチャ的な課金はあまり好まれません。
とくにパズドラやモンスト、そして今回ドラクエウォークが実装しているような、お金を払わないと強いキャラや武器を手に入れられないという構造は、お金持ち有利の構造を生むため、一部のゲーマーからは激しく嫌われています。
実際、2017年に発売された「Star Wars バトルフロント2」というプレステのゲームでは、ガチャ的な課金システムが「Pay to Win(お金を出せば勝てる)」の構造になっていると批判が殺到、運営元のElectronic Artsが謝罪してシステムを組み直す結果になっています。
一方、マリオカートツアーの課金システムは、「ドカン」と呼ばれるガチャが軸になりつつ、並行して「ゴールドパス」という500円程度の月額課金の仕組みが軸になっているのが興味深いところです。
ゴールドパスを契約すると、ルビーやマシンなどが多く入手できるようになっており、一時的にガチャによる収入を得るのとは別に、任天堂が継続的な課金モデルに挑戦する姿勢が明確になっています。
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