自分の命と34人の命、どちらが「重い」ですか 究極の選択で「思考力と決断力」を鍛えよう

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人数だけなら34人の方が重いが……

選択肢は2つ、「34人分の薬」を宇宙船から捨てるか、「自分自身」が宇宙船から飛び出し犠牲になるかです。

人数を比較すると、34人の死か、1人の死かですから、34人のほうが重く感じられます。しかし、1人のほうはほかならぬ自分ですから、命を捨てるという選択は簡単にできるものではありません。

ベナ星で待つ34人は今、有毒ガスによって死に近づいています。つまり、あなたが助けるか、助けないかで運命が分かれるのです。

一方で、宇宙船にいるあなたは、自分を犠牲にするか、自分を犠牲にしないかの、どちらかを選ぶことになります。あなたは薬を捨てたとしても、34人を殺すわけではないのです。

この思考実験では、殺す対象に自分が含まれているので、判断が難しくなるのは仕方のないことです。自分を殺さない義務のほうが、34人を助ける義務よりも大きいと考えても、一定の理解は得られるでしょう。

これに、「薬を現地に届ける」という、職務としての責任を加えた上で究極の選択をすることになります。

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