「NISSAN GT-R」に乗ってみた!! 2014年モデル、「量販車最速」の看板に偽りなし

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この試乗会の参加は初めてだった。記者はこれまでフェラーリ、マクラーレン、テスラ「モデルS」など、一般の人がなかなか乗る機会がないであろうと思われるクルマの試乗記を書いてきた(関連記事「フェラーリに乗ってみた!!」、「マクラーレンに乗ってみた!!」「あのテスラ『モデルS』に乗ってみた!」)。

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神奈川県横須賀市にあるGRANDRIVE

昨年12月に2014年モデルに切り替わったばかりのGT-Rも、読者の方々に紹介したいと思い立った。

そこで、10年来の付き合いのある日産広報部に打診したところ、「それならちょうどGRANDRIVEで試乗会を開くので、ぜひ来てください」というありがたい話をもらった。

クルマ好き、特にスポーツカーを愛する記者にとってGT-Rは、名前を見聞きするだけでちょっとワクワクする。

記者は、かつて某自動車関係会社に勤めていた縁で、スカイラインをベースとしていた「スカイラインGT-R」を自ら運転した経験がある。マニアックだが、基本型式で「BNR32」「BCNR33」「BNR34」と呼ばれる3モデルだ。中でもR32GT-R(BNR32)は平成元年(1989年)~平成6年(1994年)に販売していた20年以上前の古い車種だが、今も日本のあちこちで走っている姿を見かけるほど、マニアの間で根強い人気がある。

最高出力550馬力

スカイラインGT-Rはサーキットを速く走ることを前提としてつくられたモデルで、最高出力のカタログ値は、当時の国産車の自主規制いっぱいの280馬力。吸排気系のパーツ交換などのちょっとした改造で、これ以上のパワーがすぐに出る。

走行状況に応じて、前後輪の駆動力を調整する独自の4輪駆動(4WD)システムを持ち、足まわりやボディの剛性などをがっちり固め、ベース車のスカイラインとは別次元。記者もすさまじい走行性能を体験したことがあるし、自家用車で高速道路を走行中、料金所で横に並んだR32GT-Rの急激な加速に、置いていかれたこともある。

スカイラインGT-Rは2002年にBNR34型を生産終了。その後、スカイラインとまったく別に設計・開発が進められた現行GT-R(R35)が、2007年に登場した。「現行国産車で最速・最強」「ポルシェ、フェラーリなど海外のスーパースポーツカーにまったくひけを取らず、場合によってはそれより速い」という高い評価を、国内外の自動車専門家から受けている。「有力なモータージャーナリスト複数名が、自家用として購入・保有している」(日産関係者)という話も聞く。このGT-Rのすごさは、さまざまなメディアの記事やネットの動画などで何となく知っていたものの、実際にどうなのかは体験したことがなかった。

昨年12月に発売されたばかりのGT-Rの2014年モデルは、排気量3.8リットルのターボエンジンを積み、ベース車で最高出力550馬力、日産のモータースポーツ子会社ニスモがチューニングした改造モデル「NISSAN GT-R NISMO」は600馬力まで性能を上げた。2007年の登場時、ベース車の最高出力は480馬力でこれでも十分に速かったが、最新GT-Rの性能は、フェラーリやポルシェ、ランボルギーニ、マクラーレンなどの海外のスーパースポーツカーと比べても、まったく遜色ない。

登場から7年目を迎え、熟成を重ねたGT-R。そんな、あこがれのクルマのドライバーズシートにまたがり、GRANDRIVEの試乗コースに出た。

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