BMWと日産の「手放し運転」は何がどう違うのか 自動運転技術の進化に対する期待と課題

拡大
縮小
BMWの新型8シリーズに搭載されたハンズオフ機能(筆者撮影)

ハンドルのボタンを押し、手を放すとハンドルが勝手に回り始める。記者が前方から長時間視線をそらし続けると「ピーッ」と警告音が鳴った。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

この夏、BMWは国内初となる手放し運転が可能となるハンズオフ機能をリリースした。高価格帯の新型8シリーズや新型X7シリーズのほか、同社では量販車種と位置づける新型3シリーズでも夏以降生産分には標準装備される。

実際にハンズオフ機能の搭載車種に乗ってみると、高速道路での渋滞時に、ブレーキやアクセル、さらにハンドル操作から解放され運転を楽に感じることができた。

日産は高精度3Dマップデータを使用

日産自動車も9月にハンズオフ機能付きの自動運転「プロパイロット2.0」をスカイラインのマイナーチェンジに合わせて搭載した。渋滞時に限定せず高速走行全体で使用可能だ(一部複雑な道路除く)。ディスプレーを用いて車線変更や追い越しの提案も行う。ドライバーがハンドルについたボタンを操作し承認すれば、手を添えるだけで車線変更や追い越しが可能だ。

先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」を搭載した新型「スカイライン」(写真:日産自動車)

BMWと日産ともに、周辺状況の把握という点においては、これまで単一距離を撮影するカメラと、精度は低いが広い範囲を感知できるミリ波レーダーを併用してきた。今回は両社とも距離や写る範囲が違う3台のカメラにミリ波レーダーを組み合わせた方法を採用した。

日産はこれに加えて高精度3Dマップデータを使用。周辺環境だけではなく、これから走る道路も把握することで車線変更や追い越し、非渋滞時の走行などが実現できるという。日産は高価格のハイブリッドモデルのみに搭載。対して、BMWは普及を目指し全グレードで標準装備、価格を抑えるために高精度3Dマップ導入を見送った。

次ページカギを握る「視線監視機能」とは?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT