ラミレス監督「ファンに嫌われても有能」な証拠

「4番バッターを2番に起用」など奇策目立つが

「監督」という語を普通に和訳すると“supervisor”が用いられることが多いが、メジャーリーグの“監督”は、英語で“manager”という。実は、メジャーリーグの監督以外に、“manager”という語はあまり使われない(少年野球などでは“coach”と呼ばれることが多い)。例えばアメリカンフットボールやバスケットボールの場合、監督は“head coach”と呼ばれる。

メジャーリーグの監督が“manager”と呼ばれる理由。それは、控え席で、そして時には(選手交代などで)グラウンドに出て、選手起用から選手のプレー1つひとつまでを指揮する立場にあるからだ。

そういう点では、ラミレス監督はまさに“manager”としての業務を忠実に果たし、最高の結果を残している。もし、ラミレス監督が外資系企業に勤めていれば、非常にパフォーマンスの高い、優秀な中間管理職として評価されるに違いない。

組織において“manager”は、メンバーをリードすることだけが業務ではない。仮に欠員が出ようが、想定外の事態が発生しようが、その時その時のチーム事情を踏まえたうえで、時にはチームメンバーの役割やオペレーションも大幅に変更させ、モチベーションも維持させながら、チームとして最高の結果を追求することが求められる。これはマネジメントにおいて、最も重要な要素だ。

外資系企業で“manager”は、非常に重要だと考えられており、そのため、マネジメントに進む人間は、きちんと“マネジメントをやる人間”として育成される。

ラミレスは「評価されてもいい」人材

キャリアの比較的早い段階から現場のスペシャリストかマネジメントか、どちらかを選ぶ状況に立たされ、マネジメントを選んだ社員は“manager”としての成長が求められ、“manager”として、組織の中での生存競争を勝ち抜いていかなくてはならない(一方で現場のスペシャリストに対しても非常に上級のレベルまでキャリアパスが作られているのが、外資系企業の特徴の1つでもある)。

「現場で頑張ったから」というご褒美的な形で管理職に昇進させる日本企業とは、この点が大きく異なる。

日本の場合、監督に就任するのは、現役時代に非常に高い実績を残した選手、つまり「現場で頑張った」選手であることがほとんどだが、メジャーリーグの監督において「元・名選手」は、実は少数派だ。それは、監督として求められるスキルやキャリアが、選手のそれとはまったく別物だと考えられていることによる。監督、つまり“manager”になるのであれば、“manager”としてきちんとキャリアを積んでいく必要があるのだ。

そう考えると、ラミレス監督は、選手としても高い実績を残し、監督、もとい“manager”としても、ここまでいい結果を出していると見ることができる。外資企業の人事評価という観点で見ると「現場のスペシャリスト」としても優秀であり、「管理職」としてもきちんと結果を出している、非常に評価の高い人材なはずだ。

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