「レクサスRC F」乗ってわかった481馬力の実力 サーキットで意のままに動く走りを体験した
フロントスポイラーのコーナーにカナード形状を取り入れてダウンフォースを向上させるという空力的処理なども、車体の動きのキレのよさに大きく影響を与えているだろう。
ドライビングはA地点からB地点への移動ではなく、スポーツのように頭脳と身体とそしてクルマとの一体感を楽しむものだということが、「パフォーマンスパッケージ」に乗っているとじつによくわかる。従来型より眼にみえていいクルマへと”進化”した。
あらゆる箇所に手が入ったその操作性は!?
「トレッドパターン一本一本のコンパウンド材質までこだわった」とレクサスがするミシュランとの共同開発のスポーツタイヤを装着しているだけあって、高速でコーナーを曲がるときのグリップ力は抜群だ。
エンジンマウント、サスペンションメンバーブッシュ、ステアリングラックブッシュなどの剛性も高められ、「サーキット走行などにおいても優れた操縦安定性を発揮」するとレクサスが謳うとおりの出来上がりである。
富士スピードウェイの最終コーナーを回ってホームストレッチを加速するとき、過給器をもたないV8エンジンの気持のよい回転ののびにも感心させられる。ちょっと高音の排気音が室内に響くのを聞いて加速しているとき、本当にいいクルマになったなあと、嬉しくなってしまったほどだ。
レクサスによると、エアクリーナ-形状変更による吸気性能向上とスロットル制御の改良によりアクセルレスポンスを向上させたという。ディファレンシャルギアをローギヤード化し、サーキット走行におけるアクセルでの車両コントロール性を向上させたことも、同意に謳われる。サーキットだけでなく、街乗りでも軽快感が増したそうだ。
もちろん、標準モデルも、「カーボンエクステリアパッケージ」車も、充分に楽しめる。全体として、車体の動きはしなやかになったかんじで、エンジンとハンドリングとのバランスがよりよくなっているからだ。足まわりの設定などを考えると、市街地で使うなら、これら2車種でもよいなあと思う。
そもそも、同時に大きな改良を受けたRCシリーズも、ハンドリングが驚くほど改善されているので、スタイリングを主眼に考えたら、たとえばRC300hでも満足度は高いはずだ。
問題は乗り較べたときである。RC Fのクルマとドライバーが一体化する走りの印象を”ソリッド感”とよぶなら、圧倒的にRC Fでしょう。ポルシェ911と較べて悩むのもおおいにありそうなことだ。
価格は、標準の「RC F」が1021万909円(8パーセントの消費税込み・以下同)、「RC Fカーボンエクステリアパッケージ」が1099万6364円、そして「RC Fパフォーマンスパッケージ」が1404万円となっている。992と呼ばれる最新のポルシェ911カレラSが1666万円することを考えると、RC Fの魅力はかなり輝く。
(取材・文/小川 フミオ)
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